大切な方が亡くなると、すぐに葬儀社や葬儀の手配に追われると思います。菩提寺を持たない方は、「僧侶を呼んできちんと送ってあげたいけれど、どうすればよいのだろう?」と焦ってしまうこともあるでしょう。今回は、葬儀に僧侶をお呼びする意味や、菩提寺のある・ない方がどう僧侶を手配するか、その方法などをご紹介します。
なぜ葬儀に僧侶を呼ぶのか
葬儀というと、お坊さんがお経を読んで故人を弔ってくれるというイメージがあると思います。これは、日本で行う一般的な葬儀が仏教式だからです。
そもそも「葬儀」には、親族などの近しい人のための、宗教的な儀式という意味があります。仏式の葬儀は僧侶の作法によってすすめられ、読経や戒名をいただくことで、故人を供養します。そして、葬儀の最後にいただく法話(仏教の教え)が、悲しみにくれる遺族の心を支えてくれるという役割があるのです。
なぜ僧侶はお経を読むのか
そもそも「お経」とは、お釈迦様の教えを、弟子たちがまとめたもののことを言います。仏教には8万4千ものお経があり、どれも「悟りの世界」へたどりつくための方法や戒律を説いています。
たとえば、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」は、ふりまわされがちな執着を手放すことで、心を安定へ導くと教えています。お経は、故人の成仏を祈りながら、残された遺族の悲しみを支えるためのものでもあるのです。
そもそも菩提寺とは?
「菩提寺(ぼだいじ)」とは、先祖代々が冥福を祈ってもらうお寺、つまり一族のお墓のあるお寺のことを言います。
菩提所、古くは氏寺などと呼ばれていました。日ごろから檀家としてお布施をおさめ、お寺を経済的に支えます。そしてお寺は、一族の葬儀や追善供養などを担当し、お墓を管理して供養をしてくれるという関係になっています。
もちろん一族は、菩提寺の宗派ということになるので、菩提寺を無視して違う宗派の僧侶や戒名をお願いしてしまうと、一族のお墓に入れなくなってしまうので注意しましょう。
葬儀に僧侶を呼ぶ方法
大切なご家族が亡くなったのであれば、きちんとした形式で送ってあげたいと思うものです。ですが最近は、お付き合いのある菩提寺を持っていない方、または無宗教の方も多く、僧侶の手配に困る方もおられるでしょう。
葬儀のための僧侶は、菩提寺があってもなくても、もちろん呼ぶことができます。また、近年では、高額なお布施を支払わなくても気軽に僧侶を手配できるシステムも充実していますので、ご紹介したいと思います。
菩提寺がある場合
菩提寺を持っている場合は、基本的には菩提寺の方に読経や戒名授与をお願いします。
ご家族が亡くなった後の葬儀社との打ち合わせでは、まず日時について相談をします。日時は、来ていただく僧侶の都合も関係しますので、ご遺体を安置したらすぐにお寺へ連絡を入れましょう。ただし深夜は控えてください。
電話では、故人と連絡した方のお名前、亡くなった日付、享年などをお伝えします。菩提寺と連絡を取っていたのは故人だけという場合もありますので、菩提寺の連絡先は事前にみなで共有しておくと良いでしょう。
菩提寺が遠方にある場合
一族とお付き合いのある菩提寺が、祖父母の家のそばなど、遠方にある場合は、すぐに菩提寺の僧侶に来ていただくことは難しいと思います。
そんな場合も、自宅の近くにあるお寺の僧侶をご紹介いただける場合がありますので、必ず菩提寺に連絡を入れましょう。こちらの判断で別のお寺を依頼してしまうと、納骨の際に菩提寺のお寺に入れないなどのトラブルが起きることがあります。菩提寺がある場合は、必ず一度連絡を入れることを忘れないようにしてください。
菩提寺がない場合
菩提寺のない方は、自身で希望の寺院に連絡を入れ、僧侶をお願いすることもできます。ですがこの場合は、檀家になることが条件であったり、急な以来だと断られてしまう可能性もあるので、注意しましょう。
自分で寺院にお願いするのであれば、事前に電話やメールで連絡を入れておき、お話をうかがっておくと良いでしょう。菩提寺はないと思っていても、親族に聞いてみたら実はあったという場合もあるものです。必ず親族の年配の方などに確認を取った上で手配するようにしましょう。
インターネットで探す
近年では、インターネット上で僧侶を依頼できる、「僧侶派遣サービス」が良く見られます。こういったサービスでは、日時の指定がしやすく、コストも抑えられる上に、サイト上に金額が明確に表示してあるため、お布施の値段に悩む必要もありません。
宗派も選べますし、面倒な菩提寺とのお付き合いもないので、とても手軽に利用できます。その反面、料金が不当だった・追加料金があった、僧侶が選べなかった、対応できない宗派があったなど、注意点も多いので、サイト上の説明をよく読んでお願いしましょう。
葬儀社に依頼する
菩提寺を持っていない方は、お世話になる葬儀社の方に相談をすると良いでしょう。葬儀社には、懇意にしている寺院がありますので、依頼をすれば、僧侶を紹介してくれるでしょう。
良い方と出会えれば、その後の法要などもお願いできます。依頼する時は、故人の宗派や戒名が必要かなどを、必ずお伝えしておきましょう。
葬儀の際に僧侶に渡す「お布施」とは
「御布施(おふせ)」とは、葬儀に来ていただいた僧侶に、読経や戒名授与のお礼としてお渡しする金銭のことを言います。葬儀だけでなく、お通夜、四十九日、一周忌などの法要や納骨など、僧侶に読経をお願いする時は、そのたびにお包みしてお渡しします。
読経の料金というわけではないので「読経料」などとは呼ばず、金額も明確に決まっていません。御布施は、自院の運営費や活動費、修繕費として活用されます。
御布施の相場
御布施は金額に決まりがなく、僧侶に直接うかがうと「お気持ちで」などと返答されることも多く、いくらお包みするべきかと悩む方も多いと思います。
葬儀でお渡しするお布施の全国の相場は、おおよそ10~35万円とされています。御布施の金額は、宗派や菩提寺との関係性、地域によっても違いがあり、東日本の方がやや高めと言われています。金額相場を知りたい時は、地元の葬儀社の方などに聞くと良いでしょう。
御布施を入れる袋の書き方・渡し方
御布施は、直接、金銭をお渡しするのではなく、不祝儀袋や無地の白い封筒(二重でないもの)などにお包みします。まずは、お札を中袋に、ない場合は半紙でくるみ、その上で奉書紙に包みます。地域によりますが、基本的には水引のないものを使い、表の上に「お布施」「御礼」、下に喪主氏名を書きます。
金額は、旧字体の漢数字で、「参萬圓」などと記載します。中に入れるお札は、香典の場合は旧札ですが、御布施は新札で構いません。向きをそろえ、肖像を袋の口の方へ向けて入れます。葬儀の読経後、もしくは会食後に、お礼の言葉を添えてお渡ししましょう。
御布施は袱紗(ふくさ)で包んで持ち歩き、お渡しする時は切手盆といわれる小さなお盆の上にのせ、僧侶に向けてお渡しします。
葬儀に僧侶を呼ぶ際の注意点
僧侶をお呼びする時には、いくつか注意点がありますので、ご紹介しておきます。知らずに対応してしまうと失礼となったり、後々トラブルが起きたりしますので、事前に把握しておくと良いでしょう。
菩提寺があるのに違う寺の僧侶に依頼しない
葬儀の読経や戒名授与は、基本的に菩提寺の僧侶にお願いするものです。菩提寺が遠い、御布施を抑えたいなどの理由で、気軽に違うお寺の僧侶を手配してしまうと、後々、菩提寺のお墓へ入れない、戒名の宗派が違うのでつけ直しとなるなどのトラブルを起こしかねません。
自身が知らないだけで、本家の方に聞くと菩提寺があったというパターンもあるようです。まずは親族の年長者に確認をし、菩提寺の方と連絡を取りましょう。遠方でも、菩提寺の方が僧侶を紹介してくださることもあります。
葬儀の際の僧侶の呼び方に注意
僧侶は一般的に「お坊さん」と呼ばれていますが、葬儀などの儀式の場では、不向きな印象があります。どんな呼び方をしても僧侶からとがめられることはないかもしれませんが、失礼にはならないようにしましょう。
よく使われる「お坊さん」は、出家をして修行をしている僧侶全般のことで、親しみを込めた呼び方です。お寺と僧侶の代表は「住職」、次の位を「副住職」と呼びます。読経にいらした僧侶が住職であれば「ご住職」とお呼びし、わからない時は、「お坊さん」ではなく、「お寺様」、「お坊様」と様をつけてお呼びしましょう。
葬儀と僧侶についてよくある質問
葬儀になれている方は少なく、ある程度知っていたとしても、いざ葬儀に直面すると、わからないことが多いものだと思います。こちらでは、葬儀にお呼びした僧侶とのやりとりで、よく疑問に感じることをまとめてあります。ぜひ、参考にしてみてください。
葬式にお坊さんはいらない?呼ばなくてもいい?
故人やご家族が無宗教で、仏教式のお葬式にこだわっていないのであれば、必ずしも僧侶をお呼びする必要はありません。キリスト教や神道を信仰する方であれば、もちろん僧侶ではなく、それぞれの宗教形式を選択しましょう。
また、宗教儀礼を重んじていない方、無宗教葬・直葬(火葬のみ)を選ぶ方、お布施を用意できない方なども、僧侶を呼ばないことが多いようです。ただ、菩提寺がある方だけは、慎重に検討してください。
葬式に呼ぶ僧侶の人数は何人?
お経を読んでいる僧侶は1人という印象があるかもしれませんが、実際には、葬儀の僧侶は複数であることも多いです。宗派にもよりますが、伝統的な葬儀では、3~4人、近年の一般的な葬儀では2人、都市部では1人で行うこともあります。2人の場合は、葬儀の作法をとりしきる「導師」と、導師の次の立場「脇導師」で行います。脇導師は住職の資格を持っている僧侶であり、導師の息子であることも多いようです。
葬式に僧侶を呼ぶならお車代や食事代も用意すべき?
お葬式に僧侶をお呼びした時は、御布施とは別に「お車代」や、お食事代に相当する「御膳代」も用意します。お車代は交通費なので、遺族側で送迎をした場合や、僧侶の利用したタクシー代をお支払いした時は、必要ありません。
御膳代はお食事代なので、告別式の後の会食に僧侶が参加されなかった場合だけお渡ししましょう。ともに相場は5,000〜1万円ですが、遠方からいらした時のお車代は、距離を考慮してお包みしましょう。
葬儀に僧侶を手配してくれる葬儀社を紹介
僧侶の手配は大切な方が亡くなられた後すぐに打ち合わせが始まりますので、日ごろお付き合いのある菩提寺がない方は、戸惑ってしまうと思います。困った時は、葬儀をお願いしている葬儀社に、僧侶の手配をお願いすると良いでしょう。
葬儀社には懇意にしているお寺がありますので、宗派にあった僧侶を紹介してもらえるでしょう。では、僧侶の手配をお願いできる葬儀社をいくつかご紹介します。自身の条件にあった、安心できる葬儀社を選んでみてください。
雅葬会
引用:雅葬会の公式サイト
「雅葬会」は、相模原市を中心として、神奈川県・東京都周辺の葬儀をお任せできる葬儀社です。HP上では、最短2分で見積もりが可能、希望に合わせて低価格で高品質な葬儀を提供しています。直葬、一日葬、家族葬、一般葬、社葬までプランは豊富。担当者の一貫サポートを徹底しており、お電話相談から同じ担当者に話ができるので、僧侶の手配に困った時でも、気軽にお願いできます。お問い合わせは24時間365日、通話料無料で受け付けており、LINEの気軽なチャット相談もできます。
小さなお葬式
引用:小さなお葬式の公式サイト
CMでおなじみ「小さなお葬式」は、6年連続葬儀件数№1、累計葬儀数44万件という、小規模な葬儀に特化した葬儀社です。平均112万円と言われる葬儀費用が、業界最安水準の86,900円(税込)~。火葬、一日葬、家族葬、一般葬、費用を最小限にしたお別れ葬まで豊富に選べます。顧客満足度96%の温かいサポートがあるので、僧侶の手配で戸惑った時も、安心してお任せできるでしょう。
東京葬祭
引用:東京葬儀の公式サイト
「東京葬祭」は昭和52年創業、年間3,500件の実績を誇る、信頼できる葬儀社です。「葬儀を通じて幸せな人をたくさんつくること」を目指し、参列者の思いを組んだオンリーワンの葬儀を提供します。東京を中心として、埼玉、千葉、神奈川に直営の式場を展開しています。予算や希望に合わせて、火葬から大型葬、ガーデン葬などプランも豊富。入会金不要の会員になれば、割引が受けられます。もちろん相談は24時間対応なので、手配に困った時にすぐに連絡ができるので安心です。
よりそうお葬式
「よりそうお葬式」は、「よりそ~う。」の優しいCMでおなじみの、初めてでも安心してお任せできる葬儀社です。費用を業界最安水準に設定した「明朗会計セットプラン」や、全国5000カ所から選べる葬儀場、満足できなければ全額保証などがあり安心です。故人や遺族の方の気持ちを大切にしたお別れ演出で、顧客満足度94%をほこっています。急な葬儀には、24時間365日の無料相談窓口があり、焦って葬儀の手配をしている方も、安心してお任せできる葬儀社です。
やさしいお葬式
「やさしいお葬式」は、顧客満足度97%をほこる、参列者に納得の葬儀を提供する葬儀社です。北海道から九州・沖縄まで、全国に葬儀場を展開。費用は業界最安水準、明朗会計、シンプルでわかりやすいセットプランを提供しています。スタッフがゼロからサポートするので、葬儀がはじめての方でも安心、故人や遺族の意向に沿って、最後まで優しくフォローしてくれます。葬儀や法要に出向く僧侶の紹介は、無料なので利用しやすいです。
イオンのお葬式
「イオンのお葬式」は、その名の通り、おなじみのイオングループが提供する葬儀社です。北海道から九州・沖縄まで全国展開しており、どのエリアの方でもすぐに利用できます。コンパクトな火葬から一日葬、家族葬、最小限にしたシンプル火葬や、無宗教の直葬など、プランが豊富です。24時間365日のコールセンターを完備しており、菩提寺のない方への僧侶の手配も対応しています。僧侶への御布施の目安などもわかりやすく紹介しており、イオンカードでの支払いも可能です。
日比谷花壇のお葬式
「日比谷花壇のお葬式」は、1872年創業の、フラワー業界のパイオニア「日比谷花壇」が運営する葬儀社です。日比谷花壇にしかできない美しい花祭壇は、色、花種、規模などが豊富で、故人と遺族を温かく包んでくれます。首都圏・関西を中心に北海道から九州まで全国に展開。家族葬、一般葬、一日葬、規模の小さい直葬や自宅葬、もちろんセレモニー風の大きなお別れ会などまで幅広く対応しています。お電話の相談は深夜早朝を問わず24時間365日、専任スタッフが対応してくれるので、僧侶の手配で困っても、すぐに相談できるでしょう。
葬儀会館ティア
「葬儀会館ティア」は、年間葬儀実績20,000件をほこる、信頼できる葬儀社です。遺族の方としっかりコミュニケーションを取り、ひとりひとりに寄りそった「世界にたったひとつの葬儀」を提供します。家族葬、一般葬、社葬、を始めとして、神式、キリスト教式、無宗教葬などにも対応します。見積もりには、祭壇から保冷剤まで、徹底的にわかりやすく説明があるので安心。24時間365日、専門知識を持ったティアスタッフが常に対応するので、僧侶の手配、香典返し、仏壇、会食など、困った時はすぐに相談できるので安心です。
葬儀のお悩みは「雅葬会」へご相談ください
僧侶のお経には大切な意味があり、仏教式の葬儀であれば必須なものです。そして、現代では菩提寺がなくても僧侶をお願いできるということもわかりました。とはいえ、大切な家族を亡くしたばかりの遺族の方にとっては、葬儀の手配は大きな負担だと思います。
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