悲しみの葬儀を終えた後は、一息つきたいところですが、ようやくいつもの日常が戻ったとしても、会葬してくれた方や、葬儀を手伝ってくれた方への感謝を表すお礼状を作ることを忘れてはいけません。
今回は、葬儀が済んだ後のお礼状はいつ出すべきなのか、また、お礼状のマナーなどについて解説していきたいと思います。
葬儀の後に送るお礼状とは?
葬儀の後に送るお礼状は、どのようなものなのでしょうか?
葬儀に参列してくれた方には、会葬礼状を手渡すのが一般的ですが、会葬礼状は、その場で、返礼品と一緒に、会葬してくれた方にお渡しするものです。
それに対して、葬儀のお礼状は、葬儀のときに渡すものではなく、四十九日を過ぎてから送るのが一般的です。一息ついてから、改めて会葬者に感謝を伝えるのが葬儀の礼状なのです。
葬儀の後のお礼状はいつ送る?
葬儀が無事に終わると、急いでお礼状を作成する方もいるかもしれません。
しかし、葬儀のすぐ後は、時間的にも、精神的にも、遺族にとって負担が大きいものです。
葬儀のお礼状は、葬儀後すぐに送るものではなく、四十九日の忌が明けてから、出すのが一般的なマナーとなっています。
葬儀の後に送るお礼状の書き方
葬儀の後に送るお礼状は、どのような内容を書けば良いのでしょうか?ここでは、葬儀後に送るお礼状の具体的な書き方を紹介していきます。
故人の名前・戒名
葬儀の後のお礼状には、個人の名前、戒名があれば、戒名を入れるのが基本です。
故人の名前は、必ずお礼状の最初に書きましょう。書き方としては、故◯◯、または、亡父、亡母という書き方もあります。
戒名が付けられている場合は、戒名も併せて書くようにしてください。
お礼の挨拶
故人の名前を書いたら、続けて、会葬者から葬儀のときに頂いた香典などに対するお礼の挨拶を記します。
葬儀の後で送る礼状です。お相手が何を渡してくれたのか、わかっていますので、頂いたものへのお礼を文面に盛り込むのが良いでしょう。
生前に故人 遺族がお世話になったお礼
続いて、生前の故人または、遺族(家族)がお世話になったことへのお礼の言葉を書きます。会葬御礼に関する挨拶では、このお礼の言葉が欠かせません。
生前の故人や、遺族がお世話になったことへのお礼を述べることがお礼状を出す主な目的となります。
法要日を記載
葬儀のお礼状は、葬儀の後、四十九日を終えてから出すものですので、四十九日の法要を無事に過ごせたことをお礼状の中に記載するのが自然で良いでしょう。
たとえば、「お陰をもちまして ◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました」という感じです。
香典返しについて
葬儀のとき、会葬者から香典を頂いたことへのお礼の品を香典返しといいます。
葬儀の後に送るお礼状の文面には、この香典返しの品をお贈りするという旨を記載するようにしましょう。
また、香典返しを頂いた人のなかには連盟で少額の場合や、会社の方針によっては香典返しを辞退するケースもあります。その場合は香典を頂いたことへのお礼を述べておきましょう。
挨拶が書面になってしまったことのお断り
お礼状の最後のところで、お礼の挨拶が書面になってしまったことへのお詫びの言葉を述べるのが一般的です。
本来は、お相手の方と顔を合わせて挨拶すべきところを書面になってしまうのは、略儀になります。その場合、書面になってしまったことへのお詫びの言葉を述べて、葬儀のお礼状を締めくくりましょう。
葬儀のお礼状例文
ここでは、葬儀のお礼状の例文を3つご紹介します。
1
亡き母 ◯◯の告別式にあたりましては ご多用のなかをご会葬くださり ありがとうございました
また 香典を賜り 厚くお礼申し上げます
生前皆様に支えていただきましたこと 励ましくださいましたことを深く感謝申し上げます
本来であれば お会いしてご挨拶申し上げるところ 略儀ながら 書面をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます
令和◯年◯月◯日
喪主◯◯
2
拝啓
先般
亡父◯◯の永眠の際は ご多忙中にもかかわらず ご感想を賜り かつ香典を賜りまして 誠にありがとうございました
お陰をもちまして ◯月◯日に四十九日の法要を済ませることができました
つきましては 供養のしるしとして 心ばかりの品をお届けいたします
何卒 ご受納いただきますようお願い申し上げます
略式ながら 書中をもちまして ご挨拶申し上げます。
令和◯年◯月◯日
喪主◯◯
3
拝啓
この度は 亡き◯◯儀の葬儀に ご多用中にもかかわらずご会葬賜り かつ ご芳志を賜りましたこと 心よりお礼申し上げます
お陰をもちまして 四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
つきましては 心ばかりの品をお送りいたしましたので ご受納いただければ幸いです
本来であれば 直接お会いして お礼を申し上げるべきではございますが 書中をもちましてご挨拶申し上げます。
令和◯年◯月◯日
喪主◯◯
葬儀の後のお礼状を送るときのマナー
ここでは、葬儀の後のお礼状を送るときのマナーについて、お伝えしていきます。
季節の挨拶は使用しない
葬儀の後に送るお礼状には、一般的な手紙を書くときに使う、「◯◯の候」などの時候の挨拶は入れないというのが一般的なマナーです。
文の最初に、拝啓、文の最後に敬具という表現を用いるのは、マナー違反ではなく、むしろ一般的です。
句読点は使用しない
日本では、通例として、感謝状や招待状などに句読点を付けないというのが一般的なマナーです。
葬儀の後のお礼状でも、句読点を付けず、句読点を入れる部分にスペースを空けて、文を書くようにしましょう。
忌み言葉 重ね言葉を使用しない
一般的に、縁起が悪いとされる、いわゆる忌み言葉や、重ね言葉は、ご葬儀のお礼状には入れてはいけません。
重ね言葉とは、「ますます」「いよいよ」「常々」など、同じ言葉を繰り返す表現です。
理由は、不幸が重なることを連想させるため、使用を避けるのがマナーとされてるのです。
その他にも、「死んだ」「苦しい」などといった、さまざまな忌み言葉も避けるようにしましょう。
お礼状は一枚に収める
葬儀の後のお礼状は、奉書紙に書くのが良いとされています葬式での香典袋には薄墨を使って文字を書きますが、既に故人が亡くなってから四十九日が経過しているとき、墨は「濃墨」を使うようにしてください。また、お礼状で使用する便箋は重ねるのが縁起が悪いといわれていることから、1枚に収めるのが好ましいといわれています。不幸が重なることを連想させないためです。
手紙を入れる封筒も二重ではなく一重の白黒無地を使用するようにしましょう。
葬儀のことでお困りなら「雅葬会」へ
今回は、葬儀の後に会葬者に向けて送る、お礼状の書き方や、例文、マナーについてお伝えしました。
お礼状は、会葬御礼とは異なり、四十九日を過ぎて送るのが一般的です。
お礼状を書く目的は、生前の故人や遺族がお世話になったお礼を述べることです。
また、お礼状は「季節の挨拶を使用しない」「句読点は使わない」「重ね言葉は避ける」「一枚に収める」など、手紙とは異なるマナーがありますので、マナー違反にならないよう注意して、記載するようにしましょう。
「雅葬会」なら、お礼状の書き方も含めた葬儀全般のサポートを行っています。
葬儀でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。スタッフが親身になってご案内いたします。