小規模な葬儀にはどんな種類がある?注意点と合わせて解説

近年、小規模な葬儀が増えてきています。その背景として、少子高齢化が進んでいる、血縁関係や近所付き合いが希薄になった、金銭的な事情などが挙げられます。

しかし「小規模な葬儀って、どう行えば良いのか分からない」という人もいますよね。そこで、小規模な葬儀はどんな種類があるのか、メリットとデメリットも交えてお伝えしていますね。

そもそも一般的な葬儀とは

小規模な葬儀とはいいますが、そもそも一般的な葬儀とはどのようなものなのでしょうか。一般葬の流れを見ていきましょう。

  • 臨終
  • 葬儀社に連絡(通夜・葬儀の日程などを決める)
  • 親族や知人に連絡(訃報を伝え、通夜・葬儀の日程を知らせる)
  • 通夜の準備(会葬礼状や返礼品を手配するとともに故人を納棺する)
  • 通夜
  • 葬儀・告別式
  • 火葬
  • 遺骨迎え・精進落とし

一般葬では、通夜や葬儀・告別式のとき、弔問客の対応もしなければいけません。喪主や遺族のみで対応が難しい場合は、世話役という形で友人や知人に依頼することも選択肢として入れておきましょう。

小規模な葬儀の種類

ここまで、一般葬の流れについてお伝えしてきました。ここからは、小規模な葬儀について見ていきましょう。小規模な葬儀の種類としては、下記の3つがあります。

  • 家族葬
  • 一日葬
  • 直葬(火葬式)

それぞれの特徴や費用の相場なども交えながら、紹介していきます。

家族葬

家族葬は、1日目に通夜、2日目に告別式といった一般葬の流れと変わりません。大きく異なるのは「身内と親戚、親しかった友人などで執り行う」という点です。少人数で行うので、故人をゆっくり偲べるというメリットがあります。

また、一般葬と比べて費用が安く抑えられるのが利点です。一般葬の費用の相場は約200万円なのに対し、家族葬の相場は約150万円となっています。費用をあまりかけずに、少人数でゆっくりと故人を偲びたいという人には、家族葬がおすすめです。

一日葬

一般葬や家族葬では、通夜で1日、告別式と火葬で1日の、計2日にわたって葬儀が執り行われます。これに対し一日葬は、通夜を省き葬儀と告別式のみを行うので、1日で終了するというのが特徴です。

遺族のみで行われることが多く、費用も約50万から80万円と大幅に抑えられます。時間とお金がないから1日で葬儀を終わらせたい、故人に親しかった人が少ないので遺族のみで行いたいという人が、一日葬を選ぶことが多いです。

直葬(火葬式)

直葬はもっとシンプルで、通夜・告別式などの宗教儀式を行わず、火葬のみを行う葬儀です。

直葬における一番のメリットは、費用が抑えられるという点です。直葬は式場を使わず、遺体の搬送、棺代、火葬料といった最低限の費用で執り行うことができます。なので、経済的に困窮している場合でも、生活保護の一部である葬祭扶助の範囲内で行えるでしょう。

直葬の費用は、約20万から30万円になります。できるだけ費用を抑えたい、菩提寺もなく宗教的なこだわりがない、火葬をしてから故人の故郷の菩提寺で本葬をするという理由から、直葬を選ぶ人が増えてきています。

小規模な葬儀を行うメリット

ここまで、小規模な葬儀の種類についてお伝えしていきました。ここからは、小規模な葬儀を行うメリットについて紹介していきます。

メリットとしては、下記の3つがあります。

  • 故人との時間を長く取れる
  • 葬儀の費用を抑えられる
  • 親戚だけなので柔軟に進めやすい

それぞれどんなメリットなのか、詳しく説明していきますね。

故人との時間を長く取れる

上記の家族葬でも挙げましたが、まず1つめのメリットは「故人との時間を長く取れる」という点です。一般葬の場合、家族や親戚に加え、故人と関係があった人が多く参列します。そのため、訃報の通知や当日の参列者への対応で忙しくなりがちです。

家族葬などの小規模な葬儀の場合、参列者も一般葬に比べて少ないため、当日の負担も軽減されて故人をゆっくりと偲ぶことができます。参列者も生前遺族と交流のある人が多いので、気を使わずに葬儀を執り行えるでしょう。

葬儀の費用を抑えられる

葬儀の費用というのは、下記の3つの合計金額になります。

  • 通夜から葬儀、告別式、火葬までといった葬儀一式の費用
  • 式場利用料や通夜振る舞い、精進落としといった参列者をもてなす費用
  • 宗教者へのお礼

参列者の人数が少なければ、その分費用も抑えられますよね。

 

しかし、直葬を選んで僧侶を選ばなかった場合でも、最低20万円はかかります。可能であれば、事前に見積もりを取り、どの位費用がかかるかを確認しておきましょう。

親戚だけなので柔軟に進めやすい

一般葬の場合、参列者が来やすいように葬儀と告別式の日時を調整したり、遠方から来る人のために、大きな会場やホテルの手配をしなければいけない場合がありますよね。

しかし、小規模な葬儀の場合、親戚や少人数の友人と行うので、柔軟に進めやすいです。仕事があるからあまり時間はかけられない、身内だけで故人を偲ぶ時間を長く作りたいといった遺族の要望にも対応できるのが、小規模な葬儀のメリットなのです。

小規模な葬儀を行うデメリット

ここからは、小規模な葬儀を行うデメリットについて紹介していきます。主なデメリットとしては、下記の3つがあります。

  • 弔問客が後から次々と訪れる可能性がある
  • 香典で葬儀費用を賄うのが難しい
  • 親族から反対される恐れがある

デメリットを知っておくことで、一般葬と小規模な葬儀のどちらが良いかが良いのかの判断や、小規模な葬儀を行うときにデメリットをどのように軽減するかという対策を取りやすくなるでしょう。

弔問客が後から次々と訪れる可能性がある

小規模な葬儀の場合、当日の参列者は少ないですが、弔問客が後から来る可能性が高いです。新聞には、亡くなった人の名前と日時等を掲載する「お悔やみ欄」というページがあります。そのお悔やみ欄で亡くなったことを知った人の中には、「ちゃんとお別れがしたかった」と感じる人もいます。

その方達への対応として、まずは丁寧に感謝を伝えましょう。葬儀というのは、日本人にとって昔から大切な社会的儀礼です。「故人とお別れをしたい」という人が多いときは、家族葬の後にお別れの会を開く旨を伝えましょう。

また住所が分かる場合は、手紙かはがきで、なるべく早い時期に死亡通知状を出すのも1つの方法です。死亡日、親族のみで葬儀を行ったことの通知とお詫び、生前の厚誼(こうぎ)の感謝をつづりましょう。

香典で葬儀費用を賄うのが難しい

小規模な葬儀の場合は参列者が少ないので、香典で葬儀費用を賄うのが難しいです。これの対策としては、会場等は使わず自宅のみで行う、一日葬や直葬等で葬儀の費用を抑えるといった方法があります。

また「故人の預貯金から葬儀費用を賄う」という方法もあります。しかし銀行口座は、名義人が亡くなると口座が凍結し、自由に引き出せなくなります。「遺産相続前に、故人の預貯金で葬儀費用を賄いたい」という人は、遺産分割前の相続預金の払い戻し制度を利用しましょう。この制度を使えば、上限150万円まで引き出すことが可能です。

ただし、引き出しをする際には、下記の書類が必要なので、事前に準備しておきましょうね。

  • 故人の戸籍謄本や除籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 引き出しをする相続人の印鑑証明書

親族から反対される恐れがある

小規模な葬儀が広まり始めたとはいえ、まだまだ抵抗がある人もいます。特に、故人や遺族が高齢で小規模な葬儀に馴染みがない、生前交友関係が広かったために多くの人に故人を偲んで欲しいと考えている人がいる、といった場合には反対される可能性が高いでしょう。

そんなときの対策としては「生前に本人の意志を確認しておく」ことです。今は「終活」の1つとして、エンディングノート等を用いて葬儀やお墓の希望について書き記す人も少なくありません。

「死後」ということでネガティブなイメージを持ちがちですが、親族間のトラブルを防ぐために、「どんな葬儀をしたいか」「予算の捻出方法や葬儀会社は決まっているのか」といったことを、本人と親族間で共有しておきましょう。

小規模な葬儀を行う際の注意点

ここまで、小規模な葬儀のメリットとデメリットについてお伝えしてきました。ここからは、小規模な葬儀を行う際の注意点について紹介していきます。注意点としては、下記の4つになります。

  • 故人の意向を優先する
  • 費用以外の面にも注目して選ぶ
  • 呼ぶ人を事前に考えておく
  • 呼ばない人へのフォローをする

それぞれどんなことに気をつけなければいけないのか、具体的に説明していきますね。

故人の意向を優先する

葬儀を行う際には、故人の意向を優先しましょう。遺族は「時間とお金のことを考えて小規模な葬儀を行いたい」と考えていても、本人は「大勢の人に見送られて旅立ちたい」と思っている可能性もあります。

故人の意向を確認するのに役立つのが、上記でも紹介した「エンディングノート」です。エンディングノートには、葬儀のやり方や死後の手続きなどを項目ごとに書く欄があるので、死後遺族が見ても把握しやすいです。

ただし、遺言書と違って法的な拘束力はありません。エンディングノートの内容については、予め親族や葬儀会社とも確認しておくことをおすすめします。

費用以外の面にも注目して選ぶ

小規模な葬儀を行う場合、一般葬とは異なる葬儀方法を行うことができます。特に人気なのが、散骨や樹木葬といった「自然葬」です。この葬儀は「亡くなった後にお墓に入らず自然に還りたい」と考える人のために行うことが多いです。

散骨とは、火葬の後遺骨を粉末にして海や山林へ撒くことです。墓石や墓石の購入、お金の管理費などが不要になる一方、骨を撒く場所については許可が必要になります。

また、樹木葬は、墓標としての樹木の根元に遺骨を埋葬する方法です。1つの大きな木に複数の遺骨を埋葬するので、こちらも墓石の費用や管理費が少ないというメリットがある反面、寺院や霊園などの墓地として許可された場所にしか埋葬できないというデメリットがあります。

このように、小規模な葬儀は費用以外にも、自分にあった葬儀方法を選択できるのです。

呼ぶ人を事前に考えておく

小規模な葬儀の場合、呼ぶ人を事前に把握しておきましょう。もし呼ぶ人の人数が多くなるようなら、一般葬も選択肢として入れてください。

呼ぶ人が遠方にいる場合は、ホテル等の手配もしなければいけません。ただし、ホテルも時期によっては満室で取れない場合があります。また車で来る場合、街中のホテルだと駐車場がないというケースもあるでしょう。

あらかじめ移動方法を確認し、それに応じたホテルをいくつか候補として挙げておきましょう。新幹線で来る人であれば駅直結もしくは駅に近いホテルのほうが良いですし、車で来ているのであれば駐車場が広い郊外のホテルが良いです。

呼ばない人へのフォローをする

上記でも挙げましたが、後から亡くなっていたことを知った人から、「なぜ知らせなかったのか」といわれてトラブルになる可能性もあります。そのようなトラブルを防ぐためにも、あらかじめ呼ばない人へのフォローも考えておきましょう。

弔問に来た際に、

  • まずは弔問に来てくれたことに感謝を伝える
  • 「故人の意志(もしくは遺族の事情)により、小規模な葬儀を行った」という事実を伝える
  • 「落ち着いた頃、お別れの会を開催する予定なので、そのときに改めて連絡する」と、改めて故人を偲ぶ場所を設ける意志があることを伝える

といったフォローを行うことで、相手の「故人を見送るときに、自分が呼ばれなかった」という疎外感を軽減できるでしょう。

小規模な葬儀に対応してくれる葬儀社8選

ここまで、小規模な葬儀を行う際のメリットやデメリット、注意点についてお伝えしてきました。小規模な葬儀を行う葬儀社が増えてきたとはいえ、信頼できる葬儀社に依頼したいですよね。

ここでは、小規模な葬儀に対応してくれる下記の8つの葬儀社を紹介します。それぞれの葬儀会社の特徴も交えているので、是非葬儀社選びの参考にしてくださいね。

小さなお葬式

引用:小さなお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 小さな一般葬:599,000円(税抜)

小さな家族葬:399,000円(税抜)

小さな一日葬:299,000円(税抜)

小さな火葬式:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

小さなお葬式は、日本全国に対応している葬儀会社です。一般的な家族葬の相場が約150万円なのに対し、小さなお葬式は約39万円(税抜)となっており、葬儀費用を大幅に抑えられます。

東京葬儀

引用:東京葬儀公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬(葬儀場ではなく、自宅で告別式を行う)

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 基本プラン:198,000円

仏式セット:198,000円~

花祭壇:128,000円~

オプション:55,000円~

東京葬儀は対応エリアが一部の関東圏のみと狭く、またスタッフも少人数なので、一見すると「他の葬儀社に比べて使いづらいのでは」という印象があります。しかし、小規模な人数だからこそ、遺族それぞれに合わせた丁寧なサービスを行えるのです。

よりそうお葬式

引用:よりそうお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 家族葬(ゆったり二日プラン、二日プラン)

一日葬

火葬のみ(自宅安置プラン、面会プラン、シンプルプラン)

料金プラン よりそう家族葬:華やか二日プラン:499,000円(税抜)

        二日プラン:369,000円(税抜)

        一日プラン:270,000円(税抜)

よりそう火葬式:自宅安置プラン:135,000円(税抜)

        面会プラン:135,000円(税抜)

よりそうお葬式は、日本全国に展開している葬儀社です。特徴的なのが「火葬でも家族と一緒に過ごせる時間を設けてくれる」という点です。自宅安置プランでは、火葬まで自宅で遺体を安置し、遺族が故人と過ごせるようにしてくれます。面会プランでは、火葬前に1時間程時間を設けてくれるため、遺族や友人が故人と過ごして最後のお別れをすることが可能です。

やさしいお葬式

引用:やさしいお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

直葬(仏具なし)

料金プラン やさしい一般葬:599,000円(税抜)

やさしい家族葬:399,000円(税抜)

やさしい一日葬:299,000円(税抜)

やさしい火葬式葬:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

やさしいお葬式は、海洋散骨を行ってくれる葬儀社の1つです。人間だけでなく、ペットの海洋散骨も行ってくれます。葬儀だけでなく、遺言や相続、遺品整理や生前整理等も行ってくれるため、葬儀を小規模にしたい、葬儀以外の点でも不安が多いという方におすすめです。

イオンのお葬式

引用:イオンのお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

シンプル火葬(東京都・神奈川・埼玉・千葉)

直葬

料金プラン イオンライフの一般葬:655,000円(税抜)

イオンライフの家族葬:460,000円(税抜)

イオンライフの一日葬:325,000円(税抜)

イオンライフのシンプル火葬プラン:90,000円~(税抜)

イオンライフの直葬プラン:134,000円~(税抜)

イオンのお葬式の特徴は、葬儀後もフォローしてくれるという点です。イオンのお葬式では、葬儀後の手続きや法要、納骨の準備などを、専門スタッフがアフターフォローしてくれます。さまざまな宗派に対応してくれるので、「法要が初めてだ」という人でも、安心して任せられるでしょう。

日比谷花壇のお葬式

引用:日比谷花壇のお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬

直葬(火葬のみ)

料金プラン 一般葬:1,430,000円~(税込)

家族葬:770,000円~(税込)

一日葬:770,000円~(税込)

直葬:297,000円~(税込)

自宅葬:770,000円~(税込)

お別れの会:1,490,000円~(税込)

⽇⽐⾕花壇は1872年(明治5年)に創業された歴史ある会社です。長年培ってきたノウハウを活かし、花を使って故人をお見送りするという特徴があります。一番人気なのが「グランツ」という、棺の上を彩る草花のベールがとても印象的な囲み型の花祭壇です。白と緑を基調としているので、キリスト教や無宗教の人にもおすすめです。

葬儀会館ティア

引用:葬儀会館ティア公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

料金プラン 白木30一日葬限定セットプラン:297,000円~(税込)

白木50セットプラン:495,000円~(税込)  など

 

葬儀会館ティアは、名古屋を中心に展開している東部一部上場企業です。他の葬儀社に比べて費用が高く、また地域が狭いというデメリットがあります。しかし「ティアの会」に入会すれば、葬儀費用が割引になるだけでなく、葬儀後の法要や香典返し、さらに仏壇や仏具、墓石も割引で購入できるのが特徴的です。

雅葬会

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬・直葬

料金プラン 一般葬:620,000円~

家族葬:380,000円~

一日葬:280,000円~

直葬・火葬式:130,000円~

 

雅葬会では、一日葬や家族葬などの小規模な葬儀が行えるだけでなく、「手元供養」を行うことも可能です。少子高齢化の影響や経済的な状況により、墓じまいを行う家族が増えてきました。しかし「墓はなくても骨は手元においていつでも偲べるようにしたい」「お墓や仏壇はなくても供養はしたい」という人もいるでしょう。そんなニーズに応える形で、手元供養のサービスを行っております。

葬儀のお悩みは「雅葬会」へご相談ください

この記事では小規模な葬儀について紹介してきました。費用面が厳しい、参列者の数が少なくなりそうなどの理由で小規模な葬儀を行いたいという人は少なくないでしょう。しかし、小規模な葬儀を行う際には、費用以外の面にも注目して選ぶ、呼ばない人へのフォローをするなどの注意点もあるので注意してください。

家族葬や一日葬などの小規模な葬儀をお考えの方は、ぜひ「雅葬会」へご相談ください。雅葬会では、小規模な葬儀を行えるだけでなく、手元供養や海洋散骨など、供養方法も選択できます。事前に資料請求や電話での相談もできるので、ぜひ検討してみてください。

top