葬儀の形式・種類をまとめて解説|それぞれのメリットデメリットとは

「急に葬儀を行わなければいけなくなったとき、どうしたら良いか分からない」と思う人は少なくないでしょう。一昔前は葬儀の形式は親戚や近所の人を呼び、2日間にわたって行われていました。しかし、核家族化が進み価値観が多様化した現代では、葬儀の形式も個人に合わせて行うようになってきました。

そこでこの記事では、葬儀の形式や種類はどのようなものがあるのかを解説していくので、葬儀の形式などでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

葬儀の形式

一言で葬儀といっても、宗教が違えば形式は異なります。ここでは、日本で主に行われている葬儀の形式についてお伝えしていきます。それぞれのやり方や注意しなければいけないことなどを説明しているので、見ていきましょう。

仏式

仏式での葬式は、下記のような流れで行います。

  • 通夜
  • 葬儀
  • 告別式
  • 出棺
  • 火葬
  • 精進落とし(故人を偲んで会食したり、僧侶へのお布施や世話役へのお礼の挨拶) 

「葬儀」は宗教儀式で、故人の冥福を祈り、あの世へ送り出すための儀式です。「告別式」は、宗教的なものではなく、故人と関係のあった人たちが集まり、最後の別れを告げる催しを指します。近年では葬儀と告別式を一緒に行うことが一般的になったので、午前中から葬儀が始まることが多いです。

神式

神式の葬式は「神葬祭」と呼ばれ、「通夜祭・遷霊(せんれい)祭」と「葬場祭」の2日間行われます。神葬祭の特徴は、神社ではなく、自宅か式場で行うことです。

1日目の通夜祭は、次のような流れになります。

  • 斎主(儀式を行う神職)や斎員、遺族らの参列者が「手水(ちょうず)の儀」を行う。
  • 斎詞奏上(一同は腰を前方に折るように一礼する)
  • 誄歌(るいか)奏上(故人を偲ぶ歌)
  • 玉串奉奠(たまぐしほうてん。玉串と呼ばれる榊の枝に紙垂という紙片を下げた枝を供える)

遷霊祭は、故人の霊魂を仏教の位牌にあたる「霊璽(れいじ)」に移す儀式です。最近では、通夜祭と遷霊祭を通して「通夜祭」と呼ばれることも多くなっています。

2日目の葬場祭は仏式の葬儀と告別式の流れとほとんど同じです。火葬場から自宅に遺骨が戻ったら「帰化祭」を行います。これは自宅で遺骨や霊誓、遺影を祀り、葬儀が無事に終わったことを神様に報告します。その後、仏式の精進落としにあたる直会(なおらい)を行うという流れです。

キリスト教式

キリスト教の特徴としては「葬儀そのもの」よりも「死の迎え方」が重要視されています。そのため、信者が重篤になった段階で、信者の所属する教会に連絡し、神父を呼ばなければいけません。

 キリスト教の葬儀の流れとしては、下記の3つに分けられます。

  • 入堂式(聖歌を斎唱し、神父と遺族、棺が入場する)
  • 葬儀ミサ(言葉の典礼と感謝の典礼が行われ、故人の復活と永遠の命を祈る)
  • 告別式(聖歌斉唱や弔辞・弔電の紹介や献花)

また、カトリックでは「追悼ミサ」という葬儀後の追悼の儀式がありますが、いつ行うべきかは決まっていません。死後10日後や1年後などに行われることが多いです。

友人葬

「友人葬」は、創価学会で行われている葬儀です。友人葬の特徴としては「僧侶を呼ばずに葬儀を行う」ことです。これは創価学会では「成仏は故人の生前の信仰によるもの」という考えがあるからです。

僧侶の代わりに友人代表が「導師」という役目を担い、葬儀の進行役を勤めます。導師にお布施は渡さず、また位牌には戒名をつけず、俗名(生前の名前)をそのまま記載します。 

火葬後の納骨は、以下の3ヵ所を希望することが可能です。

  • 墓地公園
  • 長期収納型納骨堂
  • 常楽納骨堂

それぞれ予算も異なるので、故人の思いや遺族がお参りに行きやすいかどうか考えて選びましょう。

無宗教

無宗教とは、特定の宗教や宗派の形式にとらわれない葬儀のことです。本人が生前から無宗教を希望していたからなどの理由で、執り行う人が少しずつ増えています。無宗教の葬儀としては、下記のような例が挙げられるでしょう。

  • 海洋散骨(遺骨をパウダー状にした遺灰にし、海に散骨する)
  • 樹木葬(墓石ではなく、樹木を墓標とする)

無宗教の葬儀を行うときに気を付けなければいけないのは、「事前に話し合って決めておく」ことです。

 特に、生前に社会的地位のある人であれば、遺族や親戚の中には世間の目を気にすることが多いです。後々トラブルにならないよう、第三者を交えて話し合い、書面でも残しておくようにしましょう。

葬儀の種類

ここまで、それぞれの宗派による葬儀の形式についてお伝えしてきました。ここからは、具体的に葬儀にはどのような種類があるのかを説明していきます。葬儀の種類は、主に下記の6つです。

  • 一般葬
  • 家族葬
  • 一日葬
  • 直葬(火葬式)
  • 社葬・団体葬
  • 生前葬

それぞれの葬儀の特徴やメリット、デメリットについて詳しく見ていきましょう。

一般葬

一般葬は、宗教のしきたりや慣習にならって執り行われる葬式です。家族や親戚、知人や近所の方々などの多くの人が参加するもので、一昔前までは主流とされてきました。葬儀会社でも一般葬を主とするプランで行っていることが多いです。

急に葬儀をしなければいけないというときに、慌てて判断すると相場より高い料金を請求され、トラブルになるかもしれません。事前に葬儀会社を検討しておくと、トラブルが起こるリスクを軽減できるでしょう。

メリット・デメリット

一般葬は、葬儀社で遺体の搬送から葬儀、告別式まで手伝ってくれます。葬儀や告別式では参列者の対応が大変ですが、葬儀社で手伝ってくれれば遺族の負担は軽減されるでしょう。

デメリットとしては「費用が高い」ということです。僧侶へのお布施(戒名授与や読経のお礼)は、一般的に20万から50万程が相場とされています。また、葬儀社へもお金を支払わなければいけないので、目安として約200万ほどかかります。

参列者からの香典で賄われる場合もありますが、事前に葬儀に困らないよう、ある程度予算を把握しておいたほうが良いです。

家族葬

家族葬は1990年代に始まった比較的新しい葬儀の形です。高齢化や人口減少による近隣住民との関係の希薄化、介護などで金銭的な負担が大きくなり、葬儀にはできるだけお金をかけたくないという考え方が広がったことなどから、近年家族葬を選ぶ方が多くなっています。

家族葬は、家族や近親者を中心に行います。形式も特に決まっていないので、故人の気持ちを尊重して行うことが可能です。家族葬を行った場合は、2週間以内に故人の関係者に死亡通知状を出しましょう。「故人の意志を尊重し、家族葬にしたこと」をしたためて送ります。

メリット・デメリット

家族葬のメリットとしては「遺族の負担が少ない」ということです。前述したように、家族葬は身内と親戚、親しかった友人などの少人数で行うのが特徴なので、故人をゆっくりと偲べます。

デメリットとしては「関係者に理解をしてもらわなければいけない」ということです。特に、世間体を気にしそうな人がいる場合は、トラブルにならないよう事前に考え方を共有しておきましょう。

また、家族葬では香典を辞退するケースが多く、いただいたとしても総額は少なくなります。葬儀の費用は貯金から捻出するということを頭に入れておいてください。

一日葬

通常一般葬や家族葬では、通夜で1日、告別式と火葬で1日の、計2日間行われます。しかし一日葬の場合は、通夜を省くので1日で終わらせることが可能です。一日葬の流れは通夜がないだけなので、通常の葬儀や告別式と変わりません。また家族葬と同様、遺族のみや親しい方だけなど、小規模で執り行われるのが特徴です。

メリット・デメリット

メリットとしては「時間が短縮される」ことです。通常2日間行わなければいけないところを、1日で終了するので、準備や対応などの負担が軽減されます。また、費用も一般葬や家族葬に比べて安いのが特徴です。

デメリットは、「周囲の理解を得られない場合がある」という点です。仏式の葬儀では通夜から葬儀、告別式という流れが正式なものなので、お寺や親族から難色を示される可能性もないとはいいきれません。

直葬(火葬式)

直葬は、通夜や告別式などの宗教儀式を行わず、火葬のみで故人を送る葬式です。一般的な直葬の流れは下記の通りになります。

  • (病院で死亡した場合)遺体を葬儀社や火葬場併設の安置施設、自宅などへ搬送
  • 火葬当日まで遺体を安置
  • 納棺後、火葬場に遺体を搬送 

菩提寺もなく宗教的なこだわりもない場合や、火葬をしてから故人の故郷の菩提寺で本葬をする場合などで、直葬を選ぶ人が増えてきています。

メリット・デメリット

メリットとしては「他の葬儀に比べて費用が1番安い」ということです。直葬では式場を使わず、遺体の搬送や棺、火葬料といった最低限の費用で執り行えます。

 デメリットとしては「故人とのお別れの時間が短い」という点です。直葬は火葬のみなので、短時間で終わってしまいやすく、人を見送ったという実感が得にくい人も多い傾向にあります。

社葬・団体葬

社葬や団体葬とは、会社と遺族が一体となって追悼する儀式です。流れとしては、亡くなった直後に緊急役員会を行い、遺族に社葬の同意を得ます。その後、近親者のみで密葬を行う流れです。密葬に取引先の関係者などが多く会葬すると、遺族だけでは対応しきれません。遺族が故人とお別れできる時間を確保できるよう、会社側でサポートしつつ、社葬の準備を行っていきます。社葬は、密葬から概ね40日前後で行われることが多いです。

メリット・デメリット

社葬のメリットとしては「社外へ広報できる」ということです。特に創業者や企業トップが亡くなった場合、経営に大きな影響を与えます。今後どのような体制を取っていくのかを、顧客や株主、取引先など関係各所全てに説明、挨拶回りするのは難しいです。

しかし、社葬を行えば会社の新体制や方針を示せて、信頼関係を継続できます。

デメリットとしては「業務の負担が増える」ということです。日々の業務に加えて葬儀の準備も行うのは、大きな負担になります。社葬の準備を行う社員を選ぶときは、日々の勤務状況などを考慮して選出しましょう。

生前葬

生前葬とは、自分が元気なうちに友人や知人を招いてお別れの式典を行うものです。本人が挨拶をし、弔辞をもらいます。亡くなった後は身内だけで密葬を行う場合が多いです。生前葬は最近広く知られるようになりました。

自分が元気な内に直接感謝の気持ちを伝えたい、自分の好きなように葬儀を行いたいという想いから、生前葬を行う人が少しずつ増えてきています。

メリット・デメリット

生前葬のメリットとしては、上記にもあるように「自分が元気な内に、直接感謝の気持ちを伝えることができる」という点です。

危篤状態に陥ると、言葉を発したくても話すことが難しくなります。「親しい人やお世話になった人に直接感謝の言葉を伝えたい」など、人との関わりを大切にしたい人にはおすすめです。

デメリットとしては「人によっては参加するのに抵抗がある」ということです。本人の気持ちを尊重したいという想いがある一方、「亡くなっていないのに葬式なんて」と、あまり気乗りしない人もいます。生前葬を行うときは「元気なうちに感謝の想いを伝えたい」ということを説明し、理解してもらうようにしましょう。

さまざまな形式に対応してくれる葬儀社を比較して紹介

ここまで、さまざまな葬儀の形式について紹介しましたが、「どの葬儀社を選べば良いか分からない」と悩んでしまう人もいるでしょう。そこで、ここではさまざまな形式や種類に対応してくれる葬儀社を8つ紹介していきます。

小さなお葬式

引用:小さなお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 小さな一般葬:599,000円(税抜)

小さな家族葬:399,000円(税抜)

小さな一日葬:299,000円(税抜)

小さな火葬式:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

小さなお葬式は、家族葬や一日葬を行いたい人や、費用をなるべく抑えたいという人におすすめです。葬儀の受注件数が5年連続1位という実績に加え、経済的にも負担が少ないのが特徴です。さらに、無料の資料請求をするだけで5万円も割引されるサービスもあります。

東京葬儀

引用:東京葬儀公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬(葬儀場ではなく、自宅で告別式を行う)

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 基本プラン:198,000円

仏式セット:198,000円~

花祭壇:128,000円~

オプション:55,000円~

 

東京を中心としたエリアに対応している葬儀社です、東京葬儀は「日々の改善レポート」をホームページ上で公開しており、例を挙げると「料金表が分かりづらい」という指摘に対し、「こう改善しました」と写真付きで修整前後の料金表を掲載しています。お客さんからの意見を真摯に受け止め、改善していることを公開している会社です。

よりそうお葬式

引用:よりそうお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 家族葬(ゆったり二日プラン、二日プラン)

一日葬

火葬のみ(自宅安置プラン、面会プラン、シンプルプラン)

料金プラン よりそう家族葬:華やか二日プラン:499,000円(税抜)

        二日プラン:369,000円(税抜)

        一日プラン:270,000円(税抜)

よりそう火葬式:自宅安置プラン:135,000円(税抜)

        面会プラン:135,000円(税抜)

 よりそうお葬式の特徴は、「満足できなければ返金を請求することができる」という点です。これは「よりそう満足保証」というサービスで、会員登録や事前に料金を全額支払っているなど、さまざまな条件はありますが「葬儀に満足できなかった」場合、返金請求することが可能です。

やさしいお葬式 

引用:やさしいお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

直葬(仏具なし)

料金プラン やさしい一般葬:599,000円(税抜)

やさしい家族葬:399,000円(税抜)

やさしい一日葬:299,000円(税抜)

やさしい火葬式葬:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

 低価格な葬儀社で、シンプルでも心残りのない葬儀をモットーとしている、顧客満足度が高い安心の葬儀社となっています。

「厚生労働省認定葬祭1級ディレクター」の資格を持つスタッフが監修しているのが特徴です。「厚生労働省認定葬祭1級ディレクター」とは、葬儀社での実務経験が5年以上ないと受験できない、難しい資格の1つです。プロのスタッフがいる葬儀社であれば、安心して葬儀を任せられるでしょう。

イオンのお葬式

引用:イオンのお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

シンプル火葬(東京都・神奈川・埼玉・千葉)

直葬

料金プラン イオンライフの一般葬:655,000円(税抜)

イオンライフの家族葬:460,000円(税抜)

イオンライフの一日葬:325,000円(税抜)

イオンライフのシンプル火葬プラン:90,000円~(税抜)

イオンライフの直葬プラン:134,000円~(税抜)

大手流通グループ「イオン」の子会社が運営している葬儀仲介会社です。イオンのお葬式の特徴は、イオンマークのカードを使うと割引になることです。普段からイオンのクレジットカードを使っている人であれば、それで支払えますし、ポイントも付与されます。

日比谷花壇のお葬式

引用:日比谷花壇のお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬

直葬(火葬のみ)

料金プラン 一般葬:1,430,000円~(税込)

家族葬:770,000円~(税込)

一日葬:770,000円~(税込)

直葬:297,000円~(税込)

自宅葬:770,000円~(税込)

お別れの会:1,490,000円~(税込)

 

日比谷花壇は1872年(明治5年)に創業された歴史ある会社です白やピンクなどの色とりどりの花を使って祭壇を綺麗に装飾するのが特徴です。華やかな葬儀にしたいという人におすすめです。

葬儀会館ティア

引用:葬儀会館ティア公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

料金プラン 白木30一日葬限定セットプラン:297,000円~(税込)

白木50セットプラン:495,000円~(税込)  など

 葬儀会館ティアは、名古屋を中心に展開している東部一部上場企業です。「ティアの会」という会員になると、葬儀の費用だけでなく日々の生活もお得になります。ティアの会の会員になるには入会金が必要ですが、その後の年会費や手数料はかかりません。

雅葬会

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬・直葬

料金プラン 一般葬:620,000円~

家族葬:380,000円~

一日葬:280,000円~

直葬・火葬式:130,000円~

神奈川・東京を中心とした地域密着の葬儀専門会社です。小規模な家族葬を得意としており、相談から葬儀の実施、アフターフォローまで、きめ細かで丁寧な対応を行っています。地域の関連業者と連携することで低価格を実現しています。

葬儀のお悩みは「雅葬会」へご相談ください

この記事では、葬儀の種類や形式についてお伝えしてきました。葬儀には宗教ごとにさまざまな形式があるため、注意してください。また、葬儀は種類も多いので、予算なども考慮しながら検討してみましょう。

「雅葬会(みやびそうかい)」では、あらゆる形式の葬儀に対応しています。事前相談や終活カウンセリングも行っていますので、宗教・宗派に関するお悩みがある方は気軽にご相談ください。

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