お葬式のスタイルが変わり始めている昨今、故人を家族葬で送るという選択肢が増えています。
家族と親しい友人だけで見送りたいという気持ちを尊重したスタイルですが、故人を想い通夜や葬儀に参列したい、香典だけでも渡したいという方は多いものです。
そこで今回は、家族葬における香典の取扱いについて、気になるポイントを紹介していきます。
家族葬で香典は渡すべき?
家族葬では故人やご遺族の意向で香典を辞退している場合が多く、家族葬で香典を辞退された場合は、ご遺族の意向を尊重し、渡さずに参列しましょう。
もし、香典を辞退していない場合は香典を渡しても問題ありませんが、香典や供え物を断っている方が多いです。
ですから、家族葬では参列しても香典を渡さないのがルールになっています。
家族葬で、香典を渡すべきか、渡さないべきかは、シチュエーションによって異なりますので周りの状況を見て決めるのが良いかもしれません。
訃報で「会葬や香典」の辞退をはっきりしている場合には、
ご遺族の意向を尊重することが大切です。
心配なときは喪主や近い親族に香典の受け取りを直接確認するようにしてください。
家族葬の場合の香典の代わりのものは?
香典をあらかじめ辞退したい意向を伝えられていた場合、何も持たずに参列していいものか戸惑う方も多いことでしょう。
そこで、香典の代わりになる、ご遺族に渡して失礼のない品を3点紹介します。
また、何もしない方が良いケースも紹介しておきましょう。
お菓子
香典を渡すことができない場合は、代わりにお菓子を用意して持参しましょう。
お菓子を選ぶ際は、賞味期限が長く、ご遺族で分けられるよう小分けされているタイプがおすすめです。
お菓子の種類は、和菓子でも洋菓子でも構いません。ただし、見た目が派手なものは避けた方が良いでしょう。
香典代わりに渡すお菓子の金額相場は、2,000~5,000円ほどになっています。
お花
香典の代わりに送れる品として、お花もおすすめです。
葬儀の際に使われるお花の定番は菊やユリですが、その季節に合ったきれいな花を織り交ぜても問題ありません。
花屋さんに頼む際、「香典の代わりに送りたい」といえば見合った花で作ってくれます。金額とどのようなタイプ(籠花やスタンドタイプなど)にするかを決めて伝えましょう。
金額の相場は5,000円~15,000円ほどとなっています。
果物
香典の代わりに果物を送ることも可能です。
供物で果物を送るときに注意したいポイントは、丸い果物を選ぶことです。メロンやグレープフルーツ、リンゴなどが一般的ですが、故人が好きだったフルーツがわかれば織り交ぜてあげるのもおすすめです。
決められない場合は、果物屋やデパートなどで“供物として果物を用意して欲しい“といえば予算に合わせて見繕ってもらえます。
金額の相場は2,000~5,000円となっています。
ろうそくやお線香
邪魔にならない、必ず使ってもらえるものを送りたいのであれば、ろうそくやお線香を用意のも1つの方法です。
ろうそくやお線香を選ぶ際に注意したいのは、お線香選びです。お線香にはさまざまな種類があり香りを楽しむことができるのですが、自分が好きな香りがご遺族に好まれるかはわかりません。
香りに悩んだときは、伽羅や白檀の香りが良いでしょう。
金額の相場は、2,000~4,000円となっています。
供花や供物も辞退している場合は送らない
香典の代わりにお菓子やお花、果物、ろうそくやお線香を用意することもできますが、何も送らない方がいいケースもあります。
それは、供花も供物も辞退していることをあらかじめ知ることができた場合です。
故人を想って用意したい気持ちはわかりますが、こちらの意思を強引に押し通してはいけません。
辞退したいというご遺族の意向を尊重し、何も送らないのがマナーとなります。
家族葬で香典を辞退する場合の伝え方
このように、家族葬という選択肢をとった場合、香典をどうするかという問題が必ず付きまとってきます。
参列する方を戸惑わせないよう、家族葬をする遺族も配慮できることはしておきたいものです。ここで、もし自分が家族葬を選択し執り行うこととなったとき、香典を辞退する意向をどのように伝えておくべきかを紹介していきましょう。
訃報で伝える
香典を辞退する意向を伝えたい場合、訃報連絡をいれる時点で明確にしておくことが重要なポイントとなります。
訃報を伝える際、口頭でも文面でも、“故人の意向により香典を辞退する“旨をしっかり伝えましょう。
また、伝える人を限定する、新聞には掲載しない、掲載したとしても日時や会場を知らせない、家族葬で執り行った旨を後日掲載してもらう、といった方法で香典を辞退するのも1つでしょう。
電話で伝える
親族や故人の友人、知人、仕事などの関係者には電話で連絡することもあるでしょう。
その場合は、電話口で「故人の意向により香典を辞退する」意向を本人にしっかり伝えましょう。また、電話をかけた人から訃報連絡が広がりそうな場合、香典を辞退している旨も一緒に伝えてもらえるよう念を押しておくと良いでしょう。
受け取ってしまった場合の香典返しは?
香典を辞退したい意向を伝えていても、やむを得ず香典を受け取らなくてはいけなかったシーンもあることでしょう。
そこで注意しておきたいのが、家族葬でも、香典辞退の意向を示していても、香典を受け取ったらお返しをすることです。香典を受け取ってしまったら何をどのように返すべきなのか、マナーを紹介していきましょう。
即日返しが増えてきている
香典のお返しは四十九日の法要後といわれてはいますが、最近ではその場で香典返しを渡すケースが増えています。
香典を辞退することを決めていたとしても、葬儀屋と相談し、一定数同じ内容の香典返しを準備しておくと慌てることなく対応することができます。
即日に返す場合、香典で頂いた金額に見合わない可能性がありますが、相場を参考に3割から5割程度の品を用意しておくと良いでしょう。
消え物を渡すのがマナー
香典返しの品は、消え物を渡すのがマナーとなっています。
消え物というのは、すぐに消費することができる品物です。“不祝儀を残さない“という意味合いがあります。
例としては、飲食物としてはお茶やコーヒー、砂糖、お菓子など、日用品としては洗剤や石けんなどがあげられます。
まとめ
通夜や葬儀に参列する際、香典を持っていくのは基本的なマナーですが、家族葬の場合は違った対応が必要です。
香典は、ご遺族が香典を辞退したい意向を示している場合は渡さないのがマナーです。
代わりにお菓子やお花を贈るのも気持ちを伝える1つの手段でしょう。
葬儀を行う側も、参列する側も家族葬における香典マナーを把握し、お互いに失礼のない対応をしたいものですね。
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