エンディングノートというものをご存知でしょうか。
このノートは、自分が亡くなったときに残された遺族へ葬儀や今後の希望などを、自分の代わりに伝えてくれる「遺言書」のようなものです。
エンディングノートと聞くと、少し片っ苦しいイメージや難しいイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
むしろエンディングノートを書くことは、自分にも親族にも良い点がたくさんあります。
そこで、今回はエンディングノートの基本的な書き方や選び方などを具体的に紹介していきたいと思います。
エンディングノートの重要性
もし自分が、命を失ったり、意識不明の状態になってしまったら、もう誰にも、自分の考えや希望を伝えることはできません。
最後の気持ちを伝えられないなんて、とっても悲しいですよね。
エンディングノートには2つの意味合いが存在します。
1つ目は自分の最期を伝えること、2つ目は財産について伝えることです。
自分の最期を伝える
エンディングノートは、自分の人生を振り返りながら残された家族に、どんな思いを残したいかを伝えるノートです。
簡単に伝えると、自分の人生を整理するノートになります。
もしものときに、どんなことを望むかや、残された遺族にどんな気持ちを伝えたいか、どんな気持ちで死と向き合っていたかなどを自由に書くことができます。
あくまで、遺族に向けて書くノートなので、相手に伝わりやすい内容を書くと良いでしょう。
財産について伝える
自分の持っている財産をきちんと把握できているのは、自分自身だけです。
家財、土地や権利など、本人でなければ把握しにくい財産というものは意外と多いかと思います。
エンディングノートに一覧などの形で記しておけば、実際に相続が行われるときに遺族側も参考になるでしょう。
遺言書とは違う!
遺言書は、民法の定める方式に従って記入することによって、死後に法的強制力を発揮する文書ですが、エンディングノートは法的強制力を持ちません。
あくまで自分の希望を伝えるためのノートなので、自分の死後または認知症などの明瞭な意識行動が難しくなった場合、残された人たちの都合や事情を優先して欲しいと願う場合は、遺言書を残すよりも、エンディングノートを残した方が良いでしょう。
エンディングノートの選び方
終活という言葉が広く認知されたことにより、エンディングノートにも多様性が生まれました。
インターネット通販や書籍店などで、さまざまな特色あるエンディングノートをすぐにでも購入することができます。また、地域によっては無料でエンディングノートを配り、積極的な使用を促していることもあります。
このようなサービスには、核家族化や高齢社会に伴う「孤独死」が背景にあるようです。
こういったサービスによってエンディングノートも、たくさんの種類が出まわるようになりました。ここでは、エンディングノートの具体的な選び方を紹介します。
書きたくなるデザインで選ぶ
キャラクターを前面に押し出したものや、明るいデザインのエンディングノートは、とても人気があります。
好きなデザインで選ぶという方法は、文章を書くことに慣れていない人には、特におすすめです。
エンディングノートを書くということは、誰かに強要される行為ではないので、いつでも好きなときにやめることも可能です。
好きな色・模様などで気軽に決めると良いでしょう。
伝えたいことで選ぶ
書き残したいことは、人によってさまざまです。
市販されているエンディングノートには、たくさんの項目が設けられ記入しやすいものが多いですが、1つの項目にどのくらいの記入欄が用意されているかなどは、エンディングノートによってまったく異なります。
たくさん書きたい内容がある場合は、その項目が書きやすいものを選ぶのがおすすめです。
忘備録とセットがあるもので選ぶ
書きたいことはあるけれど、上手くまとまらない。という人には、忘備録(メモ欄など)がたっぷりと備えられているエンディングノートがおすすめです。
気が付いたときに少しずつでも忘備録に記入しておけば、書ききることができなかったとしても、残された人たちに自分の希望を伝えることができます。
もちろん項目を埋めることが理想的ですが、断片的にでも書き残すことができれば、残された人たちの助けになることは間違いありません。
おすすめのエンディングノート
たくさんのエンディングノートの中でも特に人気なエンディングノートを紹介します。
コクヨ エンディングノートもしものときに役立つノート B5
大切なノートを1冊にまとめることができる人気なノートです。
銀行口座やクレジットカードなどの情報を書くところがあったり、日常生活の記録を記すのにも使える便利なノートになります。
CD-Rを1枚保存できるディスクケースも付いているため、好きだったCDや思い出をまとめたDVDなどを保存しておくことも可能です。
自分史年表+エンディングノート 令和版(日本語)単行本(ソフトカバー)
自分の歴史を書く年表とエンディングノートが一緒になった一冊です。
自分の人生をゆっくり振り返りながら、伝えたいことをまとめられるので、非常に便利になっています。
年表は昭和元年~2045年まで書くことができるので、早い段階で人生の思い出も整理整頓することができます。60代後半の方におすすめの内容です。
もしもに備える安心ノート
エンディングノートと聞くと、60代になってから書くものと思われがちですが、実は30代・40代で書く人も多くいます。
死について考えるのはとても怖いことです。できれば死にたくないと思いますよね。しかし、死はいずれ訪れることから早い段階で万が一の準備をしておくことも必要なのかもしれません。高齢の両親と一緒に書くのもおすすめです。
エンディングノートの書き方
エンディングノートは、本当に多くの項目が設けられているため、どんなことを書こうか悩んでしまう人も多いです。
一番良い方法は、自分が書きたいと思った項目から埋めていくことですが、具体的にどんな内容を書くか悩むこともあるかもしれません。
そこで、エンディングノートの詳しい書き方を紹介します。
基本情報
エンディングノートを見るのは自分ではありません。
そのため氏名、生年月日、住所や電話番号などの個人情報を記入して、自分自身が書いたという証明をしてください。
顔写真や家系図などがあれば、より確実に誰が記入したノートか伝えることができます。
財産のこと
身の回りの物から記入し、リスト化すると見やすいでしょう。
預金通帳、権利書、金庫、不動産など、普段は個別に保存しているものなどは、保存場所や暗証番号などを記入しておくと親切です。しかし、重要情報を記入する場合は紛失に注意してください。重要情報は悪用されやすいです。
万が一心配な場合や細かく記載する場合は、信用できる身内に託しておくと良いでしょう。
医療・介護のこと
事故・疾病などにより、自身での意思表示が不可能になった場合を想定して、自分の希望を記入する項目です。
例えば延命治療を希望するか、臓器提供を希望するかなどの意思を記入することができます。また、認知症になった場合にどう対処して欲しいか、施設に入れて欲しいかなども細かく書いておくと良いでしょう。
葬儀・お墓のこと
自身が希望する葬儀やお墓の様式などがある場合に、どんな宗教で葬式を執り行いたいか、お墓は誰と一緒がいいのかなどを書いておくと良いです。
亡くなったあとに、誰のお墓に入れるかは遺族が揉める可能性のある内容なので、一言でも記載しておくと安心ですよ。
親戚や知人の連絡先
独身で一人暮らしをしている場合、一番最初にエンディングノートを見るのは、全くの他人である可能性が非常に高いです。
そうなったとときに、親族や親しい友人の連絡先を記載しておくと、死後スムーズに連絡を取り合うことができるでしょう。
家族と同居している場合でも、自分の友人まで家族が把握しているかはわかりません。
誰にどこまで連絡をし欲しいかなど、なるべく詳しく記載しておくと良いでしょう。
自分史
自分の経験や感じたことなどを自分で書き記したものを自分史と呼びます。
過去を振り返って記すものなので、自分の感情の整理ややり残したことの発見、遺族の悲しみを和らげるなど、さまざまな効果が期待できます。もし他の項目で書き悩んでいるのであれば、自分史を書き起こしてみるのも効果的です。
早めに整頓しておくと、残りの人生をより有意義に過ごせるのではないでしょうか。
大切な人への思い
エンディングノートは、大切な人への思いを伝えることができる最期の手段として捉えてください。
一生を共にしてくれた相手がいるのなら、共に過ごしてくれた感謝などを書くと良いでしょう。
自分の子供がいる場合は、思い出やこれからどんな人生を歩んで行って欲しいかなどを書くと、より素敵な内容になりますね。
遺言書について
エンディングノートの他に遺言書があるならば、どこに保存してあるか、誰に預けているか明記しましょう。
また遺言書は、民法の定める方式に従って記入することによって遺言書と認められるため、この項目に遺言書を作成することも可能です。
また、遺言書を別で作って挟んでおくのも良いかもしれませんね。
エンディングノートを個人で書くときの注意点
誰かに伝えるために記入するものなので、文字や文章の読みやすさが大切になります。
なるべく伝わりやすい言葉で、丁寧に書くと良いでしょう。
また、気持ちに変化があれば書き換えて良いものなので、随時読み返すことが大切になります。
せっかくエンディングノートを書いても、家族に気付いてもらえないと意味がありません。
ノートが作成できたら、エンディングノートの存在と、保存場所を身内に伝えておくことが大切です。
まとめ
エンディングノートは、自分の希望を記入するためのノートであると同時に、残された人にとっては、あなたの希望を知ることができる、数少ない方法の1つでもあります。
自由にいろいろなことを書けるため、法的強制力はありません。遺言書を書くには少し気が重い、まだそこまでではないかなと思う人は、ぜひエンディングノートを書いてみてください。
ここで整理をすることで、遺言書がスムーズに書けるようになるかもしれません。
自分のためにも、家族のためにもエンディングノートを有効活用して行きましょう。
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