日本や世界の変わった葬儀は?地域ごとの葬儀の特徴を解説

「葬儀」と一言でいっても、日本全国それぞれの地域で、独自の風習があります。その土地独自の変わった葬儀を知っていれば、もし葬儀に参加することになっても、適切な対応ができるでしょう。

また、親族の葬儀を行う際の選択肢が増えて、より故人の意志に沿った葬儀を行えるようになります。この記事では、日本や世界の変わった葬儀を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

葬儀の種類は多様化している

従来葬儀というのは、大人数が参列し、近所の人も協力して行う儀式でした。しかし、少子高齢化や核家族化の影響、さらに新型コロナウイルスもあり、大人数で集まる葬儀を行う家族は少なくなったのです。

代わりに、家族葬や自由葬など、「家族だけで静かに過ごしたい」「最後は自分らしく旅立ちたい」と、宗派にこだわらない葬儀を行いたいという要望が増え、葬儀会社もそれに応えるようになりました。

日本の地域別の変わった葬儀を紹介

家族葬や自由葬が広まった現代社会においても、その地域独自の変わった風習というのは残っている物です。ここでは、日本の地域別の変わった葬儀を紹介していきます。

北海道

北海道の葬儀で特徴的なのは、「香典に領収書が出る」ことです。一般的な葬儀の場合「挨拶をし芳名帳に記名をした後、香典を渡す」というのが一般的ですよね。

しかし、北海道では挨拶後に自分の名前と住所、金額を記入している香典を渡します。受付担当者がその場で開封し中身を確認すると、香典の領収書を手渡してくれるのです。また、香典返しも図書カードやギフトカードなど、即日返しをすることが多いです。

香典に領収書を発行するようになった背景として、北海道民は合理的な性格の人が多いことが関係しています。会社や仕事関係で参列している方などが、経費計算や確定申告に使用できるように、領収書を発行するようになったといわれています。

香典返しが即日なのも、北海道は面積が広く、お返しを贈るのに時間がかかるからという理由があるようです。

東北

東北地方では、葬儀の前に火葬をする「前火葬」が行われています。昔は交通機関が発達していなかったので、雪深くなる東北地方では急な訃報で親族が集まるのにも時間がかかり、遺体が傷んでしまうことがありました。そのため、先に火葬をしてお骨にし、「骨葬」で故人を見送るようになったといわれています。

また、山形県では電話が普及する以前、亡くなったことを菩提寺や地域住人に知らせに行く役割の「告げ人」がいました。告げ人は「忌を避ける」という理由で、男性2人1組で動くのが基本となっていました。

電話が普及した現在では見られなくなった風習ですが、一部の地域では菩提寺へ男性2人で伝える習慣が残っているのです。

中部

中部地方では、前火葬と後火葬を行う地域が入り交じっているのが特徴です。同じ県でも習慣が異なっている場合があり、例えば福井県の場合は浄土真宗の檀家が多い地区と禅宗の檀家が多い地区に分かれているので、それぞれ独自の風習があります。

また、近所同士で協力し合う風習が残っている地域が多く、長野県では互助組織「隣組」があり、近所の葬儀の手伝いのために仕事を休むこともあるのです。

関東

関東地方は、都市部と地方で習慣も異なります。例えば、埼玉県の秩父などの地域では、通夜のときに渡す香典を、一般的な白黒の水引きではなく紅白の水引きを掛けて渡すことがあります。

紅白の水引きというと、祝い事で使うというイメージがありますよね。しかしこの場合は

「入院中お見舞いに行けず、申し訳ございません。遅くなってしまいましたが、受け取ってください」という意味で使われます。なので、香典袋の表書きは「お見舞い」になるのです。

同じ関東地方でも、栃木県の農村部では、出棺に際して玄関先に竹で編んだ門(仮門)を作り、その下に棺をくぐらせるようにして出棺するという風習が残っています。これは、仮門をくぐらせることで、普段使う門を魂の出入りに使わないという意味が込められているのです。

近畿

近畿地方の1つである三重県は伊勢神宮があるため、神道の影響力が強い県です。そのため、他県よりも神式の葬儀が行われることが多いです。また、コショウをふんだんに使った「涙汁」という料理が振る舞われる習慣があります。これは

  • 故人のために涙を流す
  • 辛いものをとることでお葬式の疲れを取る

という2つの意味があるとされています。

近畿地方を含めた西日本では、通夜振る舞いをしない地域が多いですが、滋賀県ではうどんが振る舞われます。これは「色々と大変だった喪家に、負担がかからないように」という配慮からきています。

中国・四国

中国・四国地方では、葬儀を避ける日がさまざまです。一般的に葬儀を避けるべきとされている日は「友引」です。これは「凶事に友を引く(連れて行く)」とされているからで、実際に友引を定休日にしている火葬場も多いです。しかし、鳥取県の一部の地域では、友引でも葬式を行う場合があります。

また、広島県では友引に加えて「酉の日」にも葬儀を避ける風習があります。これは、広島県の農村部には「酉の日には田植えを行うべきではない」という考え方が古くからあり、それが葬式にも関連してしまったとされています。

九州・沖縄

九州でも、鹿児島県や大分県の一部の地域では友引にも火葬場が開いているところがあります。温暖な気候なので、東北と比べると前火葬を行う地域は少ないです。

また、沖縄県では、豚の三枚肉を供えたり、法要を「スーコー」お墓参りを「ナーチャミー」というなど、独自の文化があります。

その他の変わった葬儀は?

ここまで、日本の地域別の変わった葬儀をお伝えしてきました。ここからは、その他の変わった葬儀について紹介していきます。最近では自由葬が広まりつつあり、下記のような葬儀が出てきました。

  • ホテル葬
  • 音楽葬
  • 宇宙葬
  • バルーン葬

それぞれの特徴について、下記で紹介していきます。

ホテル葬

ホテル葬とは、家族葬の後、告別式の代わりにホテルでお別れ会を行うことです。ホテル葬はセレモニー型とパーティ型があります。セレモニー型は比較的告別式の形に近く、大きな祭壇が飾られて、弔辞や弔電が読まれるものです。焼香の代わりに1人ずつ献花をして退場していきます。パーティ型は、献花後にホテルの会食会場へ移動し、立食スタイルで故人を偲ぶものです。

ホテル葬のメリットとしては、交通の便が良く遠方からでも来やすい、宿泊が可能などがあります。デメリットは、一般的な告別式に比べて費用が高い、焼香や遺骨の持ち込みなどができないことが多いという点です。

音楽葬

音楽葬とは、葬儀中のさまざまな場面で、故人にゆかりのある音楽を流す葬儀です。例えば、アニメが好きな故人だったら出棺の際アニメの音楽を流す、音楽が好きな人だったらピアノや合唱団など演奏者を手配するというやり方があります。

メリットとしては、思い出に残る葬儀になる、日常生活でも同じ曲を聴くと故人を思い出すことができるというのがあります。

デメリットは、親族からの理解を得にくいことがある点です。また、音楽葬を行うことができる葬儀会社は限られているので、予め確認しておきましょう。

宇宙葬

宇宙葬とは、自然葬の形式の1つです。故人の遺骨や遺灰を専用のカプセルに納めて打ち上げ、宇宙空間で散骨します。

宇宙葬の種類としては

  • 月面供養;遺灰を納めたカプセルをロケットに搭載して月に送る
  • 流れ星供養:遺灰を納めたカプセルを、人工衛星に乗せて打ち上げる方法。打ち上げられた人工衛星は、地球を数日から数年周回した後、流れ星となり大気圏に突入して燃え尽きる。

宇宙葬は、故人の夢を叶えられるというメリットがある一方、日本では対応している葬儀社が少なく、費用も一般の葬儀に比べて高いです。実績がある葬儀社を選ぶようにしましょう。

バルーン葬

バルーン葬も、自然葬の1つです。遺骨を気球に載せて成層圏まで上昇させ、空中に散布することです。

宇宙葬に比べて費用も安く、実現しやすいのがメリットとしてあります。ただし、会場を準備したり親族の理解を得なければいけなかったりと、さまざまな問題があるので、注意してください。生前に葬儀社を探し、「自分はバルーン葬をして欲しい」と、周囲の人から了解を得てもらいましょう。

世界で行われている変わった葬儀

ここからは、世界で行われている変わった葬儀について紹介していきます。

  • 鳥葬
  • 風葬
  • ジャズ葬

それぞれどのような葬儀なのか、順番に見ていきましょう。

鳥葬

鳥葬とは、死者の肉体を鳥に食べさせる葬儀のことです。チベットで行われている葬儀であり、ハゲタカなどの鳥が用いられています。

チベットの大地は荒涼としていて樹木が少なく、岩場や凍土が多いです。そのため、火葬用の燃料を手に入れにくく、土葬にも向かないことから鳥葬が一般的になったとされています。

チベット自治区政府は非衛生的として鳥葬から火葬への移行を奨励していましたが、現在でもチベット住民の大部分が鳥葬を行っています。

風葬

風葬とは、遺体を風にさらして自然に風化させる方法です。一般的な風葬は、断崖絶壁の自然もしくは人工の横穴に、布でくるんだ遺体を安置するというものです。東南アジアや、戦前では沖縄や奄美でも行われていました。

東南アジアではムシロのような大きな籠で覆ったり、あるいはそのまま放置して白骨化するまで待ちます。その後遺骨をきれいに洗って決められた墓地に改葬するのです。

日本では棺に入れられて白骨化するまで待っていることが多かったです。しかし衛生面から火葬が主流になり、風葬が無くなっていったのです。

ジャズ葬

ジャズ葬は、アメリカのルイジアナ州ニューオリンズで行われている葬儀です。多くの人達が故人の入った棺を墓地まで運びます。その道中、ブラスバンドの演奏する明るいジャズに合わせて、参列者も一緒にお祭り騒ぎをします。ニューオリンズはジャズが生まれた地でもあるので、葬儀にもジャズが入っているのですね。

ジャズ葬は、死者が天国へ旅立つことを祝福する儀式とされています。そのため、墓地から遺体を運ぶときには静かな曲を、墓地からの帰り道は明るい曲を演奏します。

さまざまな葬儀に対応してくれる葬儀社を紹介

ここまで、日本や世界の変わった葬儀について紹介してきました。最近では自然葬や自由葬が容認されるようになったとはいえ、「どの葬儀社を探せば良いか、分からない」と悩みますよね。そこで、ここからはさまざまな葬儀に対応してくれる葬儀社を8つ紹介していきます。

小さなお葬式

引用:小さなお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 小さな一般葬:599,000円(税抜)

小さな家族葬:399,000円(税抜)

小さな一日葬:299,000円(税抜)

小さな火葬式:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

 

小さなお葬式は、葬儀の受注件数が5年連続1位という実績に加え、日本全国に展開しているので、どこにいても利用可能です。一般的な葬儀も行ってくれますが、下記のように変わった葬儀の方法も行ってくれます。

  • 華やかなお葬式プラン:棺の中を、色とりどりな花で満たすプラン
  • オリジナルムービー作成:故人の想い出を聞き取りし、専属スタッフの手により、世界に1つだけのオリジナルムービーを作るオプションサービス
  • 奏でる生演奏:生前故人のが好きだった曲を、生演奏で演出するオプションサービス
  • 納棺の儀式:納棺師が故人の身体を清め、整髪や化粧を施すオプションサービス

東京葬儀

引用:東京葬儀公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬(葬儀場ではなく、自宅で告別式を行う)

火葬のみ

直葬(仏具なし)

料金プラン 基本プラン:198,000円

仏式セット:198,000円~

花祭壇:128,000円~

オプション:55,000円~

 

東京葬儀は対象地域が限られており、またスタッフも他の葬儀会社に比べたら少ないです。しかしその分、1件1件丁寧に対応するので、顧客満足度が高くなっています。変わった葬儀への対応方法として、「新型コロナウイルス感染症で亡くなった故人の葬儀を行うことができる」という点です。

新型コロナウイルスで亡くなった場合、感染を考慮して葬儀を行わないことがあります。しかし、東京葬儀の場合は徹底した感染対策を行い、葬儀を行えるのです。

「入院中会えなかったから、最後はきちんとお見送りしたい」という家族の要望に、きちんと寄り添ってくれますよ。

よりそうお葬式

引用:よりそうお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 家族葬(ゆったり二日プラン、二日プラン)

一日葬

火葬のみ(自宅安置プラン、面会プラン、シンプルプラン)

料金プラン よりそう家族葬:華やか二日プラン:499,000円(税抜)

        二日プラン:369,000円(税抜)

        一日プラン:270,000円(税抜)

よりそう火葬式:自宅安置プラン:135,000円(税抜)

        面会プラン:135,000円(税抜)

 

よりそうお葬式は全国展開している葬儀社で、対応方法に定評があります。そんなよりそうお葬式ですが、より故人をお見送りできるよう、さまざま なオプションがあります。会場に故人の想い出の品を展示する「メモリアルコーナー」を作ることができたり、棺の中に故人への想いを綴った手紙を入れることができる「ラストメッセージ」というサービスも提供しています。

また、クレジット払いや36回ローンなど、支払い方法もそれぞれの生活スタイルに合わせて選ぶことができるのです。

やさしいお葬式

引用:やさしいお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

直葬(仏具なし)

料金プラン やさしい一般葬:599,000円(税抜)

やさしい家族葬:399,000円(税抜)

やさしい一日葬:299,000円(税抜)

やさしい火葬式葬:159,000円(税抜)

小さなお別れ葬:89,000円(税抜)

 

やさしいお葬式は、2019年に設立された比較的新しい葬儀会社です。やさしいお葬式では、海洋散骨を行うことが可能です。葬儀会社のスタッフが散骨と献花を行ったり、船を貸切って散骨したりできます。海洋散骨を行った遺族向けに、オプションとして遺骨の一部をいつでも持ち歩ける「ミニ骨壺」などもあります。

イオンのお葬式

引用:イオンのお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬

シンプル火葬(東京都・神奈川・埼玉・千葉)

直葬

料金プラン イオンライフの一般葬:655,000円(税抜)

イオンライフの家族葬:460,000円(税抜)

イオンライフの一日葬:325,000円(税抜)

イオンライフのシンプル火葬プラン:90,000円~(税抜)

イオンライフの直葬プラン:134,000円~(税抜)

 

イオンのお葬式では、一般のお葬式の他、変わった葬儀として「ペットの葬儀」も行ってくれます。ペットを家族と思って過ごしている人も多いですよね。そんなペットが亡くなったとき、イオンのお葬式に連絡すれば、読経から合同墓地への納骨、さらにお彼岸などの定期法要も行ってくれますよ。

日比谷花壇のお葬式

引用:日比谷花壇のお葬式公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

自宅葬

直葬(火葬のみ)

料金プラン 一般葬:1,430,000円~(税込)

家族葬:770,000円~(税込)

一日葬:770,000円~(税込)

直葬:297,000円~(税込)

自宅葬:770,000円~(税込)

お別れの会:1,490,000円~(税込)

 

⽇⽐⾕花壇の葬儀の特徴は、何といっても「花を用いて彩る」ことです。⽇⽐⾕花壇は明治5年に創業された歴史のある会社で、政府の要人が来日した際会場のコーディネートを行うといった、信頼にたる実績があります。

そのノウハウを活かし、故人や遺族の想いに沿って、花を用いて葬儀を彩ります。会場を彩ることもあれば、家族葬で家の中を彩るなど、それぞれの要望に応えてくれますよ。

葬儀会館ティア

引用:葬儀会館ティア公式サイト

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

料金プラン 白木30一日葬限定セットプラン:297,000円~(税込)

白木50セットプラン:495,000円~(税込)  など

 

葬儀会館ティアでは、他の葬儀会社には珍しい2つのサービスを行っています。1つは「エンバーミング」です。エンバーミングとは、生前の状態に近づけ、保冷剤を使わずに長期間遺体を安置する方法です。少しでも長く、生前に近い状態で故人と一緒にいたいという人には、良いサービスですね。

もう1つは「海外搬送」サービスです。日本にきていた外国人が亡くなった場合、搬送から火葬、さらに母国への搬送も行ってくれます。また「自分の家族が海外にいるときに亡くなってしまった」となってしまっても、日本で葬儀を行ってくれるのです。

雅葬会

対応可能な葬儀の種類 一般葬

家族葬

一日葬

火葬・直葬

料金プラン 一般葬:620,000円~

家族葬:380,000円~

一日葬:280,000円~

直葬・火葬式:130,000円~

 

雅葬会は一般的な葬儀の他、海洋散骨や樹木葬を行っています。樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標として埋葬する方法です。個人や家族向けの一般樹木葬の他、友人や知人とともに入ることができる「墓友樹木葬」も選択できます。

また、雅葬会は、5年以上の実務経験がないと取得できない1級葬祭ディレクターの資格を持ったスタッフが多数在籍しております。さまざまな形式の葬儀にも丁寧に対応しているので、ぜひご相談ください。

葬儀の悩みは「雅葬会」へご相談ください

この記事では、変わった葬儀や対応してくれる葬儀会社などを紹介してきました。葬儀は一般葬や家族葬などが一般的になっていますが、地域に根付いた風習や変わった葬儀というのも受け継がれています。

もし葬儀でお悩みの際は「雅葬会」へご相談ください。従来の葬儀に加えて、自然葬などの新しい葬儀にも葬儀のプロが対応しているので、さまざまな要望に応えることができます。

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