お葬式には黒ストッキング?女性の喪服の足元マナーを徹底解説

 

人と人との関わりには、服装規定(ドレスコード)や食事作法(テーブルマナー)など、その場の秩序を守る行儀・作法が存在します。冠婚葬祭も例外ではなく、マナーがあります。突然の訃報でも慌てないように、今回は、女性の喪服の足元マナーについて説明します。

 

喪服にはストッキングを合わせるのがマナー 

お葬式は、故人に対する最期のお別れの場です。故人には、死後の世界へ安らかに旅立てるように白い死装束をまとわせます。一方、喪主や親族、一般参列者は、喪服を着て故人を見送ります。喪服は正喪服・準喪服・略喪服の3つに分類されますが、基本的には、黒色かつシンプルなデザイン・シルエットの礼服やスーツやワンピースがマナーです。

 

また、お葬式のマナーとして、男女ともに光沢のある装飾品、必要以上の肌見せは厳禁されています。それゆえ、女性がワンピース、スカートを着用する場合、黒色のストッキングを合わせることがマナーと考えられます。ただし、一部の地域や宗教、故人の意向などで異なるケースもあります。

 

喪服に合わせるストッキングには決まりがある?

喪服の色やデザインと同じく、喪服に合わせるストッキングにもマナーがあります。「訃報を聞いて急いで駆け付けた」ことを意味するために敢えて肌色のストッキングを履く方もいるようですが、基本、喪服を着る際は、「黒色」「シンプルな無地」「30デニール以下の肌が透ける程度の厚さ」のストッキングを履くことがマナーといわれます。

 

下記では、喪服に合わせるストッキングの色、厚さなどについて説明していきます。

 

色が黒色

喪服に合わせるストッキングは、原則黒色です。喪服の黒色は喪に服す色に由来し、故人との最期の別れを悲しむことを表しているため、足元まで黒色で統一します。

 

特に、正喪服では黒色のストッキング着用がマナーとされています。一方、準喪服や略喪服でお葬式に参列する場合、肌色(ベージュ)のストッキングはマナー違反ではありませんが、常識を考慮すると黒色のストッキングを履くことが無難でしょう。

 

20デニール程度の厚さ

喪服に合わせるストッキングは30デニール以下のものが好ましいといわれます。葬儀用・弔事用として販売されているストッキングは、20デニール程度の厚さが多いです。20デニールとは、黒色のストッキング越しに肌が少し透けて見える厚さで、最も脚を綺麗に見せ、故人との最期の別れという場に相応しい服装となります。そこで、喪服に合わせるストッキングの厚さは、肌がうっすら透けて見える程度を目安に選びましょう。デニールに不安がある人は、葬儀用を買っておけば問題いありません。

 

タイツはカジュアルな印象を与えるためNG

ストッキングの用途は脚を綺麗に見せることであり、社会において相手に対する礼儀として履きます。一方、タイツは30デニール以上の厚みがあり、使用目的は防寒対策や保温効果と実用的です。

ストッキングに比べて、タイツはカジュアルな印象を与えるため、喪服には合わせません。ただし、寒冷地のお葬式、妊娠中の女性や持病がある方などがタイツを着用してお葬式に参列することがマナーに反しているともいえないです。自分の状態を考慮して選びましょう。

 

季節ごとの注意点

暑さが厳しい夏の時期であっても、寒さが増す冬の季節であっても、基本的に喪服のマナーは変わりません。喪服のマナーは季節に関係なく、男女ともに黒色を基調とした服装で肌の露出を控えます。そのため、女性の場合、通年、喪服には黒色のストッキングを合わせます。

 

夏場の葬儀

夏場の葬儀であっても、喪服に黒色のストッキングを合わせることはマナーです。ストッキングを履く理由は、汗を吸い取るなど実用的な目的ではありません。相手に対する礼儀です。暑くても必要以上の肌見せは厳禁であるため、素足ではマナーに反します。

最近では、冷感機能性、吸収速乾や抗菌防臭加工など暑い時期向けのストッキングも多く、汗の臭いを抑制し、汗をかいてもサラっとした感じで履けます。

ほかにも、膝までのソックスタイプのストッキングを着用すると、涼しく過ごすことができるでしょう。 

冬場の葬儀

タイツは実用的な使用目的より、カジュアルな印象を与えます。そのため、原則、喪服にタイツは合わせません。どうしても寒い場合は、肌色のストッキングの上に黒色のストッキングを重ねて2枚履きにする、靴用カイロを使用するなどで対応しましょう。

 

ただし、例外もあります。例えば、雪が降る日、真冬の屋外でのお葬式などで、寒さ対策としてタイツを着用することはマナーに反しません。タイツを着用する際は、50から60デニール程度の無地でシンプルなものを選びましょう。

 

喪服でのストッキングの注意点

喪服に合わせるストッキングは、黒色であれば何でも良いわけではありません。網タイツ、ラメ・飾り・柄・刺繍入りのストッキングは、喪服のマナーに反します。お葬式はフォーマルな場です。たとえ、さりげない刺繍、目立たない柄であっても、喪服には相応しくありません。20デニール程度の黒色無地のストッキングを選びましょう。

ほかにも気をつけたいポイントをご紹介します。

 

伝線に注意

ストッキングは、非常にデリケートで破れやすい素材です。特に、喪服に合わせるストッキングは20デニール程度と薄く、例えば、履くときに引っ張り過ぎたり、足をぶつけたりなど、外部から些細な衝撃が加わると編み目が切れて、そこから伝線してしまいます。

 

そのため、履くときには引っ張り過ぎない、手足の爪に引っ掛からないように丁寧に履くことを意識しましょう。また、爪の長さ、手足の乾燥、指輪や時計も伝線の原因であるといわれます。

 

できるだけ新品を用意すると安心

どんなに注意しても、ストッキングが伝線するリスクを完全に排除することはできないと思います。

 

伝線は、連続する細かい編み目の一部で糸が切れて穴が空き、そこから次々と糸が抜けて穴が広がることで起こります。そこで、できるだけ新品のストッキングを用意しましょう。数回履いたストッキングと比べて、新品は一度も履いていない分、繊維の強度が強く、編み目の糸が切れにくいといえます。

 

もしもの時はコンビニでも購入できる

最近は、駅売店やコンビニなどでストッキングを購入できます。しかしながら、葬儀斎場の周辺に必ずしもコンビニがあるとは限りません。斎場に到着した後、トイレなどで伝線に気付くことも少なくないかと思います。

 

黒色のストッキングは色が濃い分、伝線が目立ちやすいため、予備のストッキングを用意しておくと安心ですね。

 

正しい服装で参列することは故人と遺族への気遣い

急な訃報を受けて慌てたとしても、正しい服装でお葬式に参列することが大切であり、故人と遺族に対する気遣いといえます。私たちの社会には、その場の秩序を守る行儀・作法が存在します。特に、冠婚葬祭といったフォーマルな場では、服装をはじめ、諸々のマナーが重要視されます。

 

そのため、お葬式の場合では、喪服から足元まで黒色で統一した服装で最期のお別れに行くことがマナーとなります。マナーは相手に対する心遣い・気遣いであり、故人に対する配慮、礼儀です。

 

まとめ

このように、季節・天候に関係なく、喪服には黒色かつ無地、30デニール以下で肌が少し透ける程度の厚さのストッキングを履くことがマナーとなります。礼儀という観点より、女性のストッキング着用はマナーとされています。ストッキング着用は、素足より敬意を払っているといわれ、素足はマナー違反です。必ず正しい服装で参列するようにしましょう。

雅葬会では、ご遺族に寄り添った葬儀を提案しております。わからないことも多い葬儀かと思いますが、ご相談いただければ経験豊富なスタッフたちが、真摯にご対応させていただきます。

 

 

 

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