喪服に合わせる鞄として「黒いバッグ」という認識はあっても、実は黒色であること以外にも細かいルールがあることを詳しく知らないという方も多いのではないかと思います。
ブラックフォーマル用に準備していたバッグが、素材やデザインの点からマナー違反だったと気づくことも少なくありません。
万が一の時に備えて知っておきたい、喪服に合わせるバッグの選び方や注意点について解説していきます。
喪服に合わせる鞄、バッグの決まりは?
葬儀には哀悼の意を表す色として、喪服と同様に黒を選ぶのがマナーです。
黒色でなおかつ、柄や装飾が入っていない無地のものがよりふさわしいでしょう。
弔事の場では華やかさやお祝いをイメージさせる「キラキラした装飾」や「光る金具」はタブーとされています。
ファスナーやバッグの表側に金具があるものはマナー違反ですが、最低限の機能として付いている分には許容の範囲内です。
バッグの目立つところに光る金具が付いていないものや光りすぎないように暗い色に着色されたものを選ぶようにしましょう。
革製品はマナー違反?
動物の殺生を連想させる革製品は葬儀にふさわしくないとされているので、出来るだけ避けるのが無難ですが、最近では長く愛用できるものを身につけるといった観点からシンプルなデザインのものであれば、革製品であっても認められる場合があります。
ただし、型押しレザーのようにレザー表面に表情をつけているものはNGです。
地域ごとのマナーや、身内ごとに決まりがある場合もあるので、事前に身近な人に確認しておきましょう。
喪服に合わせる鞄の選び方
葬儀に参列する際は、好きなデザインやお気に入りの鞄を持つことよりも、マナーを守ることが大切です。
それでは、喪服に合わせる鞄を選ぶ際のポイントを4つご紹介いたします。
- シンプルなデザイン
- 光る金具が付いていない
- 大きすぎず、小ぶりなサイズ感
- どうしても容量が必要な場合は、サブバッグを
一つずつ見ていきましょう。
1.シンプルなデザイン
喪服に合わせる鞄は、黒色であることと同様に「シンプルであること」が重要です。
持ち手のあるハンドバッグを選ぶ際には、持ち手がチェーンになっているものは華美な印象を与えるため控えるようにしましょう。
デザインは、クロージャータイプやがま口タイプなど開閉がしやすく、マチの厚いものを選ぶと荷物の出し入れがしやすく使い勝手が良いです。
ハンドバッグに限らず、持ち手のないクラッチバッグタイプも葬儀用として合わせられます。
2.光る金具が付いていない
女性用の黒い鞄には、留め具や持ち手に光る金属の飾りが付いているものが多いですが、そのようなデザインは葬儀に相応しくないため避けるようにしましょう。
ただし、鞄の機能としての控えめな金具であればマナー違反にはなりません。例えば、鞄を自立させるための底鋲などです。
ハンドバッグは底鋲が施されているものを選ぶと、葬儀の際バッグを椅子や床に置いておくことになった場合でも自立してくれることはもちろん、汚れや摩擦を防げるので場所を気にせずバッグを置くことができます。
耐久性の点から底がレザーのみのタイプは、傷や汚れで傷んでしまい想定よりも早く使えなくなってしまうことがあるので、底鋲が付いているものはむしろ適していると言えるでしょう。
3.大きすぎず、小ぶりなサイズ感
鞄の大きさも大切です。
サイズは、腕にかけられるコンパクトなハンドバッグくらいのものが基本です。
荷物が多いからと言って肩にかけられるリュックサックやトートバッグは、カジュアルな印象を与えるため失礼にあたります。
遠方への葬儀で大きな荷物がある場合は、受付やホテルのクロークに預けるなど、なるべく葬儀場に持ち込まないようにしましょう。
4.どうしても容量が必要な場合はサブバッグを
お子様連れや、真冬の葬儀で上着を入れる必要があるといった、鞄の容量が必要な場合はサブバッグを用意しておくと良いでしょう。
サブバッグもまた、喪服に合わせるバッグと同様に黒色で装飾のないシンプルなものを選びます。
サイズの目安としては、A4サイズの長方形が一般的です。
サブバッグは必要に応じてメインのバッグから取り出し、使わない時はしまっておけるように小さくたためる手提げ袋が便利です。
男性の喪服にはどんな鞄がベスト?
男性の場合は、荷物はポケットに入れてバッグは持たずに参列するのが一般的です。
バッグを持つこと自体がマナー違反というわけではありませんが、男性用のフォーマルバッグという設定が元来ありません。
可能な限りポケットで済ませたいところですが、荷物が多くポケットが膨らんでしまい不恰好になるようであればバッグを用意しましょう。
必要な場合は、小ぶりな黒い鞄を用意
参列時のバッグ選びのポイントとしては女性と同様に、セカンドバッグのような座った時に膝に置いておけるくらいのコンパクトなバッグで、光る金具が付いていないもの、素材は光沢のあるエナメルやクロコダイル革など派手なものは避けるようにしましょう。
当然のことながら慎みの気持ちを示すフォーマルなスタイルなので、咄嗟のことで用意が出来なかったからと言って古ぼけた鞄や、汚れた鞄を持っていくようなことがないように事前に準備しておくことが大切です。
葬儀用の鞄はどこで買える?
葬儀用の鞄は年に何度も使うものでもありませんし、何度も買い替えるものでもないので長く愛用できるものを持っておくことがベストです。
しかし、葬儀まで時間がなくすぐに必要である場合や、あまり使用頻度が高くないものに対して数万円するバッグを購入することに懸念する場合には「しまむら」や「Amazon」で揃えるのがおすすめです。
カジュアルウエアのイメージがある「しまむら」ですが、喪服用のフォーマルバッグも販売されています。価格はおよそ\1,900〜\3,900とリーズナブルながら、黒のマットな布製でクロージャータイプのシンプルなデザインなので、合わせる喪服を問わないバッグです。
突然のことでバッグだけ用意が出来ていなかった、というときにも間違いないデザインです。
店舗にもよりますが、フォーマルウエアの売り場ではなく、バッグ売り場に展開されています。
「Amazon」の場合は、葬儀バッグという簡単なキーワード検索で単品のバッグからサブバッグやポーチまで付いているセットアイテムまで幅広く見ることができます。
価格はおよそ\2,900〜\7,900とこちらも手に取りやすい価格帯で20ブランドほど揃っています。
幅広いデザインの冠婚葬祭向けバッグを取り扱う「PREX」や日本国内でのハンドメイドにこだわったフォーマルバッグを展開する「IWASA」など確かな技術で信頼されているブランドが並んでいます。
一度に他ブランドのバッグと比較検討できる点と、注文から受け取りまでスピーディーにやりとりできる点がネットショップならではの魅力かと思います。
葬儀用の道具は事前に揃えておこう
葬儀参列の際は、香典、袱紗、数珠の3つが必須です。
香典は、お通夜か葬儀のいずれかに持参します。
香典袋や表書きの種類は宗派によって異なるので、故人の信仰が分からない場合は、シンプルなデザインの香典袋を選び、表書きは「御香典」または「御霊前」と記載するのが無難です。
また、香典袋に入れるお札が新札であると、不幸を予期していたように思われこともあるので、新札は避けるのがマナーです。
香典は、香典袋のままバッグに入れず、袱紗に包んで持参しましょう。
葬儀に参列する際には黒やグレー、紺色などの寒色系の色味で装飾の少ないものが不祝儀用とされています。
紫色の袱紗は、慶弔両用できるので一つ持っていると便利です。
お焼香の際に必要な数珠は、親族であっても貸し借りはマナー違反です。
色や素材に決まりはありませんが、宗派によってその種類は異なります。
どれを持っておくべきか迷うようであれば、宗派に関わらず使える略式数珠を持つか、特に必要性を感じなければ数珠を持たないのも選択の一つでしょう。
もう一つバッグに入れておく持ち物として、ハンカチが挙げられます。
葬儀に参列する際に持つハンカチは、白色か黒色が基本です。
無地のものがベストですが、同色の刺繍など控えめなデザインのものであれば問題ありません。
赤やピンクなどといった派手な色柄のものはNGです。
まとめ
喪服に合わせるバッグの選び方や注意点について解説してきました。
正しいブラックフォーマルのマナーを理解して、故人や遺族の方に失礼がないようにしたいですね。
葬儀に必要な道具は、訃報を受けてから準備をするのでは間に合わないこともあるので、万が一の時に慌てず参列できるように事前に必要な道具を揃えておくことが必要です。
葬儀に関するお困りごとなら、「雅葬会」にご相談ください。数多くの実績もあり、葬祭ディレクターの資格を持ったスタッフも在籍しています。
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