存命中に行う生前葬とは?流れや費用を徹底解説

死はどんな人にも必ず訪れるものです。親しい人たちに迷惑をかけたくない、自分のお葬式でもめ事があってほしくないという人もいます。そんな人々の間でニーズが高まっているのが、生前葬です。あまり馴染みのない行事ですが、近年では有名芸能人などがさまざまな生前葬を行っていることから、徐々に注目されるようになりました。

とはいえこの生前葬とは具体的にどのようなものか、想像しにくいものです。そこで、今回は生前葬の内容やメリット・デメリット、参列するときのマナーなどを紹介します。

 

存命中に行う葬儀 生前葬とは? 

 

生前葬とは文字通り、「本人が生きている間に行うお葬式」のことです。近年は著名人などがニュースで生前葬を行った、と耳にすることもあるでしょう。生前葬は主に、お世話になった人たちや仲が良かった人々に、本人が直接お礼や挨拶を行うものです。これを機に今後のお付き合いを控えたり、引退や病気などの人生の区切りや節目として執り行う人が増えています。葬儀自体を自分自身が執り行うことになり、無宗教である人の場合はより形式にこだわらないの葬儀となります。

 

生前葬のメリット・デメリット

まだ浸透したとは言えない生前葬ですが、そのメリットとデメリットがそれぞれ存在します。その特徴はどんな部分なのでしょう。

 

メリット 

生前葬のメリットはさまざまですが、具体的にどんなものがあるのでしょうか。代表的なメリットをご紹介します。

自由な形式で葬儀が出来る

無宗教・無信仰でも執り行うことが出来るのが、生前葬のメリットのひとつです。通常であれば仏教ならお坊さんを、キリスト教なら牧師さんを呼び、お経やお祈りを捧げる必要が発生します。無宗教はその必要が一切ありません。そのため自分の好きな形式で好きなように葬儀の内容を決めることが出来ます。礼服や段取り、お通夜の有無などにとらわれる必要がないため、本人の意思や気持ち次第で自由にプランニングすることが可能です。趣味を披露する場所を設けたり、参列してほしい人を本人が選ぶことが出来たりと、理想の形で自分がお別れを告げることが出来ます。費用に関しても自由なので、高額なお布施や戒名が必要になることもありません。

 

家族への負担・迷惑などがかからない 

 

通常のお葬式は、本人が死亡して鎮魂と哀悼の意を込めて行います。そのため本人ではなくその家族が行うことがほとんどです。このとき、紹介された葬儀社に言われるままに葬儀を決めてしまい、非常に高額なお金を支払うことになるというケースもよく見られることです。生前葬はそういった余分なお金を支払わず、家族への負担を強いることなく執り行うことが可能です。生前お世話になったからこそ、もうお金をかけてほしくないという人が、生前葬を行うといったケースも近年では見られるようになりました。突然の訃報が家族を驚かせるということもありません。すでにお葬式を済ませたことになるので、万が一のときに心構えが出来ているという状態を作ることが出来ます。

 

本人が直接、親しい人にお別れを伝えることが出来る 

 

死亡してからでは、本人が親しい人たちにお礼を言うことは絶対に不可能です。ですが生前葬であれば、本人が直接お世話になった人たちにお礼を言うことが出来ます。まだ意識があるうちにお礼や挨拶がしたいという人も近年は多く、そういった方々にとっては大変嬉しい行事となるでしょう。生前葬という節目の儀式だからこそ、滅多に合うことの出来ない遠くの人々とも会える機会となります。会えるのであれば、自分の生きているうちに会いたいという本人の気持ちを大切にしたいのであれば、生前葬もひとつの選択肢と言えるのではないでしょうか。

 

デメリット 

メリットの多い一方で、もちろんデメリットも存在します。どんなデメリットがあるのか見ていきましょう。

身内にとっては「費用が二度手間」になることもある 

 

生前葬は残念ながら、まだまだ日本には普及していないのが現状です。そのため、いざ本人が死亡した場合は、「やはり本式の葬儀をしよう」という親族がいてもおかしくありません。結果的に二回葬儀を行うことになる、というケースはかなり多い状況です。通常の葬儀は不要であることを、事前に身内や親族、周囲の人々にしっかりと本人が伝えておく必要があります。また、結局は戒名やお経といった手間が発生し、生前葬を行った意味自体がなくなってしまうことも珍しくありません。金銭的負担や心理的プレッシャーを減らすためにも、生前葬のあとは葬儀不要であることを本人がしっかり伝えるべきです。

 

まだまだ認知度が少ない

 

生前葬については、まだ日本では理解が進んでいません。そのため生前葬はお葬式ではなく、あくまでイベントととらえる人も多いのです。形式にこだわらないという部分がある生前葬ですが、かえってその部分が現代の認識と一致しておらず、「やはり従来のお葬式をあげよう」という流れとなることもあります。こればかりは一朝一夕で認知度が上がるものではありません。本人がしっかりと生前葬の際に、従来のお葬式に関しては執り行わないと多くの人に伝えるべきでしょう。親しい人たちも出来るだけその意思に従い、簡単に流されないように心がける必要があります。

 

無用な家族トラブルを引き起こすきっかけにもなる

 

「死ぬ前のお葬式なんて不謹慎だ」と考える人たちは、まだまだ日本にはたくさんいるでしょう。そのため生前葬を認めないといった親族が現れる可能性があります。そういった親族と対立しないように、執り行いたいと考える本人は周りとの話し合いが必要です。さらに遺産などの分配を決めたということであれば、本人に直接不満をぶつける親族が現れるということも想定出来ます。遺産トラブルなどが起こらないように、出来るだけ事前の配慮が必要となるのです。こうした無用のトラブルを引き起こさないためには、やはり出来る限り周囲の人々の理解を得ておくことが大切と言えるでしょう。

 

生前葬の流れ 

 

生前葬の流れは以下の通りです。

  • 開会
  • 親族代表の挨拶
  • 乾杯やスピーチ、催しなど
  • ご本人によるスピーチまたは挨拶
  • 閉会

 

まず「開会」と「閉会」を知らせて、生前葬の始まりと終わりを告げる必要があります。親族代表の挨拶では主旨説明や家族代表としての参加のお礼をお伝えし、それ以降は自由な形式で構いません。立食形式やパーティー形式とする場合もあります。

本人の挨拶は、参加のお礼や感謝の気持ちを伝えるものが一般的です。余生の過ごし方などを述べ、今後葬儀は必要がないことを宣言することもあります。

 

生前葬に関するよくある疑問 

「生前葬に招かれた」という場合やお布施といった疑問は、生前葬にはつきものです。よくある質問をまとめました。

 

亡くなった際にはもう一度葬儀は行いますか?

 

ご遺体のために最低限の「火葬」は必要となります。さらに無宗教形式で執り行った場合でも、親しい菩提寺があればそこのお坊さんにお経を読んでもらうなど、ごく小さい形での簡単な葬儀を執り行うことが多い傾向にあるようです。親族内で話し合い、どこまで執り行うかを事前に決めておくことで、スムーズに対応することが出来るでしょう。

 

生前葬に服装のマナーはありますか?

 

基本的には本人の意思によります。平服で来てほしいという依頼があれば、そのまま平服で訪れるほうが良いでしょう。生前葬の主旨が「明るく」「にぎやか」であることが求められれば、その通りに応じたほうが好ましいものです。現在はこれといった統一された見解は存在しません。どうしても心配なときは、本人または開催者に問い合わせをすると良いでしょう。

 

生前葬に香典は必要ですか?

 

これについても、本人の意思によるところが大きいのが現状です。「香典は不要」とあらかじめ告げられることもあります。現在のところ、会費制という形式をとっている生前葬が多いので、一万から二万円程度のお金を包んで持参するのが良いでしょう。現地で断られた場合は、そのまま持ち帰るほうがスマートです。本人の意思を大切にしましょう。

 

まとめ

 

高齢化社会の終活ブームの一環として、今後は生前葬が増加することが考えられます。何よりも大切なのは、ご本人の意思です。あらかじめ知りたいことがあれば、葬儀社に問い合わせたり、インターネットで調べると良いでしょう。

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