お焼香の正しいやり方って?宗派・種類ごとのマナーを解説

 

葬儀に参列する上で、さまざまな守るべきマナーがあります。

その中でも、お焼香の作法が気になるという方は多いのではないでしょうか。

 

一言にお焼香と言っても、種類や宗派によってやり方は異なります。

いざという時に慌ててしまわないよう、事前にマナーを把握しておけば安心です。

 

この記事では、お焼香を行う理由から、各種、各宗派ごとの作法までご紹介いたします。

 

お焼香は、一人ずつ順番に行うため緊張してしまう場面でもあるでしょう。しかし、故人を想う気持ちを行動によって示す、大切な儀式です。正しいやり方で心のこもったお焼香ができるよう、この記事を読んでしっかり準備しておきましょう。

 

意外と知らない、お焼香の意味とは?

お葬式に参列した際に、行われることが多いのがお焼香です。

皆さん何気なくされているかと思いますが、お焼香が何を意味している行為なのかご存じでしょうか。

そもそもお焼香とは、葬式や法要で香を焚き、故人や仏を拝む行為のことです。実は仏教には、焼香の香りは仏の食物であるという考えがあります。そのため、お焼香を焚くことで、故人や仏様にお食事を楽しんで頂きながら、故人のあの世での幸せを祈っているのです。

さらにお焼香はする側の邪気を祓い、精神と肉体の穢れを取り除く効果があるともいわれています。

 

お焼香の種類、各宗派ごとにマナーが異なる

実は、お焼香の種類、やり方は宗派ごとに異なっています。そのため、自分が親から習ったやり方と、参列した先の葬家でやり方が異なっている可能性も十分にあります。

焼香のやり方については、自分の宗派のやり方に合わせるか、葬家の宗派のやり方に合わせるかのどちらかにしましょう。

仮に自分の宗派のやり方で行ったとしてもマナー違反ではありませんが、葬家のやり方に合わせると相手に敬意を表していることになりますので、可能であればお葬式の際に来ているお坊さんの真似をし、相手の宗派のやり方にそろえるのが良いでしょう。

 

まずは、お焼香の基本的なやり方

ここからは、宗派の細かい違いは一旦気にせず、一般的なお焼香のやり方について説明します。

焼香の回数や、焼香の捧げ方は宗派によって様々なやり方があり、それぞれ異なりますが、大枠の作法は宗派が違っても同じになっています。

また、お焼香は自分自身の宗派のやり方に合わせて行ったとしてもマナー違反にはなりませんので、基本的なお焼香のやり方を覚えておいて実践できれば、特に問題はありません。

仮に自分と異なる宗派のお葬式に参加し、相手の宗派のやり方でお焼香をあげたいと思った際にも、基本的なお焼香のやり方を知っていれば必ず役立ちます。一般的な焼香のあげ方と違う部分を見極めて、実践することができるためです。

是非この記事を読んで覚えてみて下さい。

 

お焼香の種類

お焼香のやり方には全部で3種類の方法があります。

自席から祭壇まで歩いていき、祭壇の前で立ったままでお焼香を行う「立礼焼香」、

中腰で祭壇の前まで行き、座った状態でお焼香を行う「座礼焼香」、

自席から動くのではなく、お盆に乗せた焼香台を参列者に順番に回していく「回し焼香」の3つの種類の方法です。次からは、それぞれのお焼香のやり方を解説していきます。

 

立礼焼香

斎場で行う通夜や告別式で行うお焼香の場合、最も一般的なやり方が「立礼焼香」です。

参列者が順番に焼香台と香炉の前まで行き、立ったままで焼香をおこないます。一般的な作法は、次の通りです。

 

1.順番が来たら祭壇の前まで移動

2.祭壇の手前で遺族と僧侶に対して一礼

3.焼香台の前で遺影に対して一礼

4.左手に数珠を掛ける

5.右手の親指・人差し指・中指の3本で軽く抹香を摘まむ

6.摘まんだお焼香を、香炉の上に落とす

7.遺影に合掌し一礼

 

お焼香は故人と関係が深い人から順におこなうので、最初に喪主が行い、次に座席順に親族が行い、その後に葬式参列者が座っている順番におこないます。基本的には葬儀会社の方から指示がありますので、順番はそれに従えば問題ありません。

 

回し焼香

「回し焼香」の場合は、「立礼焼香」とは違い、お焼香用の香炉を受け取ったり回したりする必要があります。一般的な作法は、次の通りです。

 

  1. 自分の順番が回って来たら香炉を受け取る前に、軽く会釈

2.香炉を受け取ったら、香炉の前で手を合わせて遺影を見つめてから一礼し、右手で抹香をつまんで香炉に入れる(回数は自分の宗派に合わせれば大丈夫です。宗派が不明な場合は、1~2回にしておきましょう。)

3.焼香が終わったら遺影に向かって一礼し、次の人にお盆や台座ごと、軽く押すようにして畳の上に滑らすように香炉を回す

 

「回し焼香」の場合も、葬儀会社の人がサポートでついてくれますので、葬儀会社の人から指示があるようならそれに従いお焼香を行いましょう。

 

座礼焼香

最後に、「座礼焼香」の一般的なやり方です。「座礼焼香」は、畳を使用した斎場等で一般的に行われるお焼香のやり方となっています。

 

1.次にお焼香をされる方へ軽く会釈

2.祭壇まで中腰で進んで、座り直した後、遺族、僧侶の順番で一礼

3.遺影に対し一礼

4.両手で体を支え、膝をひきずるように移動

5.祭壇前の座布団に正座をして、お焼香をする

6.焼香が終わった後、合掌

7.体の向きは変えずに、膝をついた状態で後ろへ下がる

8.最初とは反対に、僧侶、遺族の順番で一礼した後、立ち上がる

9.最初同様に中腰で自分の席へ戻る

 

手順が多く少し難しいですが、自分の前に行う人を見ておけば問題なくできると思います。

 

各宗派ごとの作法

お焼香は、「摘まんで持ち上げて」「押し頂き」「落とす」という作法については、宗派が違っても基本的には変わりません。

しかし、宗派によってお焼香の回数などには違いがあります。ここでは、宗派ごとの違いを表にて解説していきます。

宗派 作法
天台宗 回数については特に定めがない
真言宗 押しいただき3回
臨済宗 押しいただき1回
曹洞宗 押しいただき1回、2回目はそのまま香炉へ落とす
日蓮宗 特に決まりはないが3回が多い
浄土宗 特に決まりはない
浄土真宗本願寺派 押しいただかず1回
浄土真宗大谷派 押しいただかず2回

 

宗派ごとに多少の作法は違いますが、最も大事なのはきちんと心を込めて焼香を行う事ですので、仮に回数を間違えたとしてもあまり問題ではありません。

また、宗派に関係なく、その日の葬儀の数や参列者の人数等によって、1人当たりに使える時間が変わってくるため、葬儀会社より回数を指定される場合もあります。その場合は、葬儀会社の指示通りの回数で行うようにしましょう。

 

家族葬でのお焼香のマナーとは?

家族葬で葬儀を行う、と連絡が来た場合は、例えお焼香だけであったとしても、基本的には葬儀に参列しないと考えておきましょう。

家族葬とは、遺族が故人とゆっくりとお別れをしたいと考えていたり、葬儀の負担を少しでも減らしたいと考えているなど、何かしらの事情がある場合が多いからです。

お焼香だけでもどうしても参列したい、という場合には、必ず遺族に連絡を取り、参列の許可が出た場合のみお焼香に出向くようにしましょう。

もしお焼香に出向いてもいいと許可を得た場合には、下記に注意しましょう。

 

  1. 向かうタイミングは、遺族への負担を避けるため、「お通夜開始15分~30分前」「焼香が始まる頃(式開始後30~40分後)」「お通夜が始まる頃」のどこかにし、必ず訪れるタイミングを遺族に伝えておく
  2. 香典返し等で遺族に負担をかけないようにするため、香典は送らないものと考えておく

   3.いついかなる時も参列させてくれている遺族への配慮は忘れないようにする

 

感染対策のためのマスクをつけたままお焼香をしてもいい?

元々は、マスクをつけたままで葬儀に参列することはマナー違反とされていました。マスクをしてしまうと、顔の大半が隠れてしまうためです。

そのため、やむを得ない事情でマスクをして参列する必要があるとしても、葬儀の受付やお焼香をする際にはマスクを取るのが礼儀とされていました。

しかし、コロナウイルスが流行している現在では、人の多く集まる葬儀場では、感染症対策の方が優先されるため、マスクを着けたままの参列で問題ありません。受付やお焼香の時もマスクを外す必要はありません。

ただし、つけていくマスクについては、柄物などは控え、無地の白色のマスクをするようにしましょう。葬儀というと黒色を連想する方も多いかと思いますが、黒色はマスクの場合はカジュアルな印象になってしまいますので控えましょう。

 

お焼香を行わない宗派の場合のマナー

最後に、お焼香を行わない宗派の場合のマナーを開設したいと思います。

お焼香は仏教の考え方を元にした作法であるので、仏式のお葬式であれば宗派に問わず行いますが、逆に、仏式以外の宗派でのお葬式の場合には行いません。

神式の葬儀の場合、キリスト教式の葬儀の場合には、それぞれお焼香に代わる作法がありますので、そちらを紹介していきます。

 

 

神式の場合

神式の葬儀の場合は、お焼香の代わりに「玉串奉奠」を行います。

玉串とは、榊の枝に紙垂(しで)という紙片をつけたもので、祭壇に捧げることで故人の霊が安らかであることを祈ります。作法は、下記のとおりです。

 

1.神官に一礼し、玉串を受け取る。右手は枝を上から、左手は葉先を下から持つ。

2.玉串案(台)の前まで進み、一礼。

3.玉串の根元が手前になるように、時計回りに90度回す。

4.左右の手を持ち替える。

5.時計回りで根元を祭壇に向けて、玉串案(台)に捧げる。

  1. 玉串案(台)から数歩退いて、2回深く礼をする。

7.2回音を立てないしのび手を打ち、再び深く一礼。神官と遺族に礼をし、終了。

 

キリスト教式の場合

キリスト教式の住葬儀の場合は、お焼香の代わりに献花を行います。献花の際に使用される花は基本的に会場側で用意されていますので、参列者が持参する必要はありません。献花の際の作法は下記のとおりです。

 

  1. 自分の番が来たら、祭壇の前に進み、係の人に向かって花が右側に、茎が左側に来るように両手で受け取る。
  2. 祭壇前で遺影に向かって一礼。
  3. 花の根元が祭壇に向くように右回りに回す。
  4. 左手の甲を下にし、右手を下から支えるようにして花を献花台に置く。
  5. 軽く頭を下げて黙とうをする。
  6. 深く一礼をする。
  7. 数歩下がり、遺族と神父に一礼して自分の席に戻る。

 

まとめ

お焼香とは何か、というところからお焼香の種類とそのやり方、宗派ごとの違いや作法についてお伝えしてきました。

お焼香そのものに種類が複数ある上に宗派によって様々なやり方があり、混乱するかもしれませんが、お焼香の際に最も大切なのは、細かい作法ではなく、お焼香の際にしっかりと心をこめることです。

細かい作法を気にしすぎるのではなく、お焼香の意味や理由を理解したうえで、心を込めて行うようにしましょう。

 

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